歓喜爆発が生んだ偶然の“左右対称” 初の甲子園へ前進したつくば秀英、チームカラーが作り上げた芸術
第77回秋季関東地区高校野球大会が26日に開幕した。横浜市のサーティーフォー保土ヶ谷では1回戦2試合が行われ、第1試合ではつくば秀英(茨城)が拓大紅陵(千葉)に5-3で逆転勝ちし準々決勝へ進んだ。わずか1点リードの5回、つくば秀英ナインがピンチをしのいだところで見せたのが“左右対称”のリアクション。不思議な構図の裏側を追った。(写真・文=THE ANSWER編集部、中戸川 知世)
THE ANSWER編集部、カメラマンフォトコラム
第77回秋季関東地区高校野球大会が26日に開幕した。横浜市のサーティーフォー保土ヶ谷では1回戦2試合が行われ、第1試合ではつくば秀英(茨城)が拓大紅陵(千葉)に5-3で逆転勝ちし準々決勝へ進んだ。わずか1点リードの5回、つくば秀英ナインがピンチをしのいだところで見せたのが“左右対称”のリアクション。不思議な構図の裏側を追った。(写真・文=THE ANSWER編集部、中戸川 知世)
歓喜のリアクションが、偶然の芸術となった。4-3の1点リードで迎えた5回2死三塁。緊張感あふれる状況で拓大紅陵の「4番・捕手」加藤玄竜(2年)を打席に迎えた。カウント1-1からの3球目、打球は右中間へ飛び、中堅手の沢畑悠斗(2年)と右翼手の松﨑勇吾(2年)が全速力で追いかける。沢畑が無事に捕球すると、2人ともグローブを突き上げて「よっしゃー!」と叫び、交わるような曲線を描いて外野を駆け抜けた。
沢畑は試合後「打球が伸びていて少し難しかったけど、気持ちで捕りに行きました。ちょっと緊張しました」と振り返り、「(捕って)戻った時はベンチの雰囲気もめちゃくちゃ良かった」。普段から感情を出すチームカラーだというつくば秀英ナインに、最高の盛り上がりを生んだ。
このプレーで勢いに乗った沢畑は7回、リードを2点に広げる適時打を放った。来春の選抜甲子園で、関東に与えられた出場枠は「4」。準決勝進出を果たせば大きく前進する。「次勝てば初の甲子園が見えてくる。この勝利で勢いをつけて、次の試合も絶対勝って甲子園に行きたいです」と力強い言葉で先を見すえた。
チーム全員で盛り上げ、勝利をつかむのがつくば秀英の野球。全員でリードを守れたという真っ直ぐな気持ちがあふれたリアクションだった。逆転勝利で波に乗りたい。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)