「人生が終わる訳ではない」 Vリーグ決勝で分かれた明暗、涙の大塚達宣を諭した西田有志の眼差し
バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージの決勝戦が31日、東京・有明コロシアムで行われ、今季1位のパナソニックパンサーズが同2位のサントリーサンバーズに0-3(18-25、35-37、19-25)とストレート負け。準優勝に終わった。試合後には、涙を流した大塚達宣を日本代表でも一緒に戦う西田有志が気遣う姿があった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
THE ANSWER編集部・新人カメラマンフォトコラム
バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージの決勝戦が31日、東京・有明コロシアムで行われ、今季1位のパナソニックパンサーズが同2位のサントリーサンバーズに0-3(18-25、35-37、19-25)とストレート負け。準優勝に終わった。試合後には、涙を流した大塚達宣を日本代表でも一緒に戦う西田有志が気遣う姿があった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
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悔しさを胸にしまい、笑顔で顔を合わせた。優勝の歓喜に沸くサントリーとネットを挟んだ反対側。明暗が分かれ、ファンに挨拶するパナソニックの選手たちの輪で大塚が泣いていた。それに気づき、声をかけたのが西田だった。
ユニホームで顔を拭う後輩の顔に手を伸ばし、目を合わせて肩を叩き、言葉を掛けた。
「これから代表もあるし、人生が終わる訳ではない。力にして頑張ろう」。大塚も何度も頷く。西田の眼差しは柔らかい。ともに日本代表でプレーする2人。大一番の黒星を経て、また一段と強くなる過程をレンズ越しに見た気がした。
来季から始まる新リーグ「SVリーグ」で新チーム名が予定されるパナソニック。「毎年同じメンバーではないし、『パナソニックパンサーズ』の名前で戦う最後の試合を勝ちたかった」と大塚。アタック成功率28%と決め切れなかった責任を感じ、悔し涙がこぼれた。
それでも「声掛けしてもらえる仲間がいることはありがたい。いつも声を掛け合って、刺激し合っているチームの良さの表れかな」とレギュラーラウンド(RR)1位で通過したチームの結束力に感謝の言葉を並べた。
今季からパナソニックに加入した西田は、試合後の行動について「一選手として戦ってきたチームメイトをケアする。普段からやっているコミュニケーションを取っただけ」とRRから変わらない先輩の包容力が表れた場面だった。
「次に繋げるために自分たちにできることをやるしかない」と力強く口にした西田。これから5月のネーションズリーグ、7月のパリ五輪と日本代表としての活躍が期待される2人。Vリーグの経験を糧に、今度は日の丸のユニホームで突き進む。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)