Vリーグ制覇で生まれた歓喜の輪 中心で年下にもいじられ、照れ笑いした28歳小野寺太志の視線
バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージの決勝が3月31日、東京・有明コロシアムで行われ、今季2位のサントリーサンバーズが同1位のパナソニックパンサーズに3-0(25-18、37-35、25-19)のストレートで打ち勝った。勝利後のコートには今季からチームに移籍した小野寺太志が仲間の輪の中で弾ける姿があった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
THE ANSWER編集部・新人カメラマンフォトコラム
バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージの決勝が3月31日、東京・有明コロシアムで行われ、今季2位のサントリーサンバーズが同1位のパナソニックパンサーズに3-0(25-18、37-35、25-19)のストレートで打ち勝った。勝利後のコートには今季からチームに移籍した小野寺太志が仲間の輪の中で弾ける姿があった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
小野寺が真っ赤な背番号1のユニホームを脱ぐ。右手で振り回しながら、仲間がつくった歓喜の輪の中を1周。ともに戦ってきたメンバーから笑顔で視線を送られた。普段から大人しいわけではないが、特段弾けているように見えた横顔。優勝の喜びがダイレクトに伝わってきた。
「何か面白いことをしないと許してくれないので」。日本代表の28歳は笑いながら頭をかいた。レギュラーラウンドであれば、勝利数と同じ背番号の選手がやるチームお決まりのセレブレーション。「No.1!と言われてやりました」と、今回は狙い撃ちされたようで優勝特別バージョンだった。
輪の中を回る時の心境は「みんなの顔が見られないくらい恥ずかしかった」。少し目線が下を向いていたことにも納得。そんな瞬間にシャッターを切った。
JTサンダーズ広島から移籍して1年目。年齢はチーム内で上から数えた方が早い。溶け込むために合流初日から周囲に話しかけた。コートを離れても年下選手たちを食事に誘うなど積極交流。「良い子たち。すぐに受け入れてくれたし、みんなに支えられたシーズン。年上の方だけど、いじられたりもする(笑)」。距離感が心地よさそう。この関係性がユニホームを振り回すシーンに表れていたのだろう。
この日の第2セットは「37-35」と異例の攻防を制した。金メダルを見せながら「こんなに重いのかと幸せな気持ちでいっぱい」と汗を拭った。優勝に浸る様子と仲間に溶け込んだ雰囲気が感じられる試合後のワンシーンだった。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)