外国人主将を胴上げしたチームメイトの優しい顔 引退選手と一緒に…友情が溢れ出した別れの1枚
バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージの5位決定戦が30日、東京・有明コロシアムで行われ、今季3位のウルフドッグス名古屋が同5位の日本製鉄堺ブレイザーズに3-2(25-27、25-22、25-17、16-25、15-13)と最終戦を勝利で飾った。今季で退団する主将バルトシュ・クレクと仲間の厚い友情が見えた試合後のシーン。“親愛”の胴上げには仕掛け人がいた。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
THE ANSWER編集部・新人カメラマンフォトコラム
バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージの5位決定戦が30日、東京・有明コロシアムで行われ、今季3位のウルフドッグス名古屋が同5位の日本製鉄堺ブレイザーズに3-2(25-27、25-22、25-17、16-25、15-13)と最終戦を勝利で飾った。今季で退団する主将バルトシュ・クレクと仲間の厚い友情が見えた試合後のシーン。“親愛”の胴上げには仕掛け人がいた。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)
笑顔で仲間に担がれた。今季で現役を引退する椿山竜介の胴上げが行われた後、その場を離れようとするクレクをチームが引き止めて輪の中心に連れてくる。クレクは少し照れくさそうな素振りを見せながら仲間に身を委ね、両手をあげて楽しげな表情。205センチの大きな体が3回宙に舞った。会場に足を運んだファンからも大きな拍手が送られた。
2020年から4シーズン在籍し、2年目からは外国人選手でありながら主将も務めた。2022年には最高殊勲選手賞に輝いた柱。別れに寂しさはあれど、抱えあげた全員が優しい表情でクレクを送り出す、“親愛”の胴上げに思えた。
胴上げの仕掛け人は誰なのか。試合後、クレクはチームメイトの顔を思い浮かべた。「わからないけど一つ考えがある……。少し小さくてリベロの小川(智大)ってやつなんじゃないかな」と笑う。入団当初からともに戦い、2023年のネーションズリーグではポーランド代表として日本と対戦。クレクの顔が付いたカチューシャを小川に着ける場面も当時話題になった。
そんな戦友との別れの胴上げ。175センチの小川に後ろから抱きつかれたクレクは、手を回して応えた。この日は出場がなく、ベンチから若手主体の試合を見守り、「最後のゲームで勝てたことが嬉しい。素晴らしい試合をしてくれたので幸せだった」と勝利で送り出してくれた仲間に感謝した。
新天地は日本以外でプレーする。母国開催の6月のネーションズリーグ・ファイナルラウンドで「小川や永露(元稀)など日本代表とポーランドで戦えることを望んでいるよ」とチームメイトとの再会を願った。「チームは離れるが、外からファンとして見守っている」。居場所は変わっても厚い友情は変わらない。
(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)