パラリンピック開幕、東京と違う「有観客」で増す魅力 メダル候補多い日本は175人参加 パリで熱い12日間再び
パリ・パラリンピックが開幕した。サングラスで歩き回る黒スーツ軍団を見ながら思わず「逃げろ」と叫んだり、バラバラな集団行動に「ソチ大会の開会式のように日体大に教わればいいのに」と思ったり、ピアノの上に立ったダンサーを見て「柔道一直線か」と昔のドラマを思い出しながら突っ込んだり、オープニングから楽しめた開会式だった。
パリ・パラリンピックが開幕
パリ・パラリンピックが開幕した。サングラスで歩き回る黒スーツ軍団を見ながら思わず「逃げろ」と叫んだり、バラバラな集団行動に「ソチ大会の開会式のように日体大に教わればいいのに」と思ったり、ピアノの上に立ったダンサーを見て「柔道一直線か」と昔のドラマを思い出しながら突っ込んだり、オープニングから楽しめた開会式だった。
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船上のパレードも良かったけれど、やはり選手の顔がよく見える陸上の行進は見ごたえたっぷり。五輪のスケートボードやブレイキンで沸いたコンコルド広場を会場に、オベリスクがトリコロールに染まる。ラヴェルの「ボレロ」が流れる中で聖火リレーがフィナーレを迎える。
個人的な感想を言えば、五輪の開会式以上にパラリンピックの開会式は印象に残る。多くの要素を詰め込んで難解になりがちな五輪に比べ、ストレートで分かりやすい。五輪の式典はオリンピック憲章で細かく定められたプロトコル(手順などを定めた規約)に沿って行わなければならず、パラリンピックの方が自由度が高いからなのかもしれない。
東京大会も開会式は素晴らしかった。「片翼の小さな飛行機」は見ごたえ十分だったし、布袋寅泰ら「デコトラ」バンドの演奏もよかった。テーマは「WE HAVE WINGS(我々には翼がある)」。勇気を出せば片翼でも飛び立つことができる。そんなメッセージがストレートに、力強く伝わった。
残念だったのは、東京大会が新型コロナ禍で無観客だったこと。国立競技場のピッチで繰り広げられるパフォーマンスに圧倒されながら、顔を上げるとスタンドは無人。関係者やメディアなど一部を除いて、多くの人は開会式や競技を生で見ることができなかった。
パラ競技には五輪競技とは違った魅力がある。もちろん、選手個々に深いドラマがあるし、あまり馴染みのない競技が多いということもある。ただ、五輪での感動や興奮とは違った新しい発見や驚きがあるのも確か。そんな観客の反応があるから、よりパラ競技は魅力が増す。
5人制(ブラインド)サッカーは、ボールの中の鈴の音とガイドの声だけが頼り。プレー中は静寂だが、審判の笛が鳴ると歓声が爆発する。14年に東京で行われた世界選手権でその「静」と「動」に鳥肌が立ったが、パラリンピックはそれ以上のコントラストになるはず。日本代表の川村怜主将は「パリは東京と違って有観客なので、楽しみです」と話した。「あの雰囲気で力が出る。見てもらうことも大切なので」とも言った。