退任の男子バレー・ブラン監督「石川祐希選手に責任はありません」 今季を総括、五輪で責任背負った主将をかばう
パリ五輪でバレーボール男子日本代表を率いたフィリップ・ブラン監督が、日本バレーボール協会を通じて今季の総括を発表した。今大会で退任することが決まっており、感謝とともに「(五輪で)敗れはしましたが、ファンの皆さんと日本のバレーボール界は、このチームを誇りに思うことができると信じています」などとコメントしている。
日本バレーボール協会を通じてコメント
パリ五輪でバレーボール男子日本代表を率いたフィリップ・ブラン監督が16日、日本バレーボール協会を通じて今季の総括を発表した。今大会で退任することが決まっており、感謝とともに「(五輪で)敗れはしましたが、ファンの皆さんと日本のバレーボール界は、このチームを誇りに思うことができると信じています」などとコメントしている。
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64歳のブラン監督の就任以降、日本は50勝19敗。ネーションズリーグでは2023年に銅メダル、24年には銀メダルを獲得した。パリ五輪では準々決勝イタリア戦でマッチポイントを握りながらもフルセットの末に敗戦。メダルには届かなかった。
「皆さんの関心がオリンピックに集中していることは承知していますが、リオデジャネイロで開催されたネーションズリーグ第1週では、高橋藍選手と石川祐希選手が欠場していたにも関わらず、アルゼンチン、セルビア、キューバ相手に3勝できたことを非常に誇りに思っています」とコメント。チーム力の底上げに手応えを掴んでいた様子だ。
五輪でのメダル獲得は「非常に高い目標ではありましたが、チームのプレーの質とこれまでの結果を考えれば現実的であるように思えました」としているブラン監督は「しかし、オリンピックは特別な大会です。感情のコントロールがチームのパフォーマンスにおいて特別な役割を担う大会なのです。オリンピック史上最もレベルの高い大会の1つである今回のパリ2024大会ではなおさらです。オリンピックのメダルを獲得して日本のバレーボール競技の歴史に1ページを刻みたいと告げるとき、その任務の重大さに直面し、自分自身の感情をコントロールすることは至極困難です」と、精神面の重要性を説いた。
イタリア戦に敗れて終わったパリ五輪。「今大会の本当のターニングポイントはドイツとの第4セットでした」と分析している。初戦のドイツ戦は2-1で迎えた第4セットでマッチポイントを握るも取り切れず、最終的には競り負けた。
「私たちはこのセットに勝つ、つまりセットカウント3-1で勝利を収める十分な可能性がありました。そうなっていれば、精神的にも、また準々決勝前の順位も、完全に変わっていたでしょう。もちろんドイツはこの大会中、驚くべきパフォーマンスを見せました。銅メダルのアメリカ、金メダルのフランスに対してフルセットまで追いつめました。勝利は私たちの手の届くところにあり、勝利すれば私たちに大きな自信を与えてくれたことは間違いありません」
52年ぶりのメダルには届かず「(五輪メダルは)私が手にしたことのない唯一のメダルだっただけに、個人的には非常に残念です。それ以上に、スタッフや選手たちが懸命に努力してきた夢、つまり日本のオリンピックメダリストに名前を刻むという夢を達成させてあげられなかったことが、本当に悲しいです」と残念がった。