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「敗者は忘れられるが…それを変えた」 金メダルから1時間半…五輪マラソン無名の最下位ランナーを世界が絶賛

パリ五輪の最終日に行われた女子マラソンで、最下位のランナーが生んだ光景が感動を呼んでいる。1位から遅れること1時間30分4秒。諦めずに完走したブータンの選手が「人々の心を勝ち獲った」と海外メディアから称賛されている。

パリ五輪女子マラソンを走るキンツァン・ラモ【写真:ロイター】
パリ五輪女子マラソンを走るキンツァン・ラモ【写真:ロイター】

パリ五輪

 パリ五輪の最終日に行われた女子マラソンで、最下位のランナーが生んだ光景が感動を呼んでいる。1位から遅れること1時間30分4秒。諦めずに完走したブータンの選手が「人々の心を勝ち獲った」と海外メディアから称賛されている。

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 絶対に諦めない。その気持ちで42.195キロを完走した。11日に行われたレース終盤。歩いていたのはキンツァン・ラモ(ブータン)だ。水を被り、今にも止まってしまいそう。沿道の観客が次々と並走し、エールを送っている。フィニッシュ地点に近づくと、観客は拍手喝采。最後はゆっくりと走り、大歓声の中でフィニッシュした。記録は3時間52分59秒。自己ベストだった。

 金メダルのシファン・ハッサン(オランダ)から1時間30分4秒遅れる80位。完走した選手の中では最下位だったが、世界の感動を呼んだ。インド紙「テレグラフ」は「女子マラソンで最下位に終わったにもかかわらず、いかにしてブータンのキンツァン・ラモは心をつかんだのか」と題する記事を掲載。ウルトラマラソンを専門とする26歳の奮闘を特集した。

 記事は「勝者が称賛されないことはめったにない。敗者はほとんど祝福されることなく、ほぼ常に忘れ去られる。パリ五輪の最終日、ヒマラヤの内陸国から来た、日の当たらない、これまで無名だった女子スポーツ選手が、自身初の五輪の冒険でそれを変えた」と常識を覆す光景を描写。「めったにない誇りとガッツ、忍耐力を発揮する中、スタンディングオベーションを受けた」と伝えた。

 近代五輪の父ピエール・ド・クーベルタンの言う五輪の信条「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく参加することである」を体現したものだと称賛した記事は、「ブータンはまだ五輪でメダルを獲得したことはない。しかし、ラモはそれ以上のことをした。人々の心を勝ち獲ったのだ」と締めくくった。

 ラモの走りはネット上で拡散され、世界から称賛されることに。決して強い者だけが人の心を打つのではないと証明する42.195キロだった。

(THE ANSWER編集部)


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