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陸上・田中希実が赤裸々な文章を投稿 パリ五輪終了で記す感性「ただ、自分として生きていたい」

パリ五輪の陸上女子1500&5000メートルに出場した田中希実(New Balance)が10日(日本時間11日)、インスタグラムで五輪を戦い終えた赤裸々な心境をつづった。ファンなどから多数の「いいね!」を押されている。

1500m準決勝を11着で走り終えた田中希実【写真:Getty Images】
1500m準決勝を11着で走り終えた田中希実【写真:Getty Images】

パリ五輪

 パリ五輪の陸上女子1500&5000メートルに出場した田中希実(New Balance)が10日(日本時間11日)、インスタグラムで五輪を戦い終えた赤裸々な心境をつづった。ファンなどから多数の「いいね!」を押されている。

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 田中は2度目の五輪を終えた。今大会は1500&5000メートルで2大会連続出場。5000メートルは予選敗退した。6日の1500メートル予選はラスト1周に接触のアクシデントがあり、組11着だったが、救済措置により準決勝に進出。準決勝は11着で敗退したものの、東京五輪8位入賞時にマークした日本記録3分59秒19に迫る3分59秒70の好タイムを出した。当時以来の3分台だった。

 この日はインスタグラムを更新。レースの様子や現地で撮った画像とともにこんな文章を記した。

 ◇ ◇ ◇

オリンピック

ゴール後 ※死人に口無しのはずなのに

アスリートの役割は、努力すること? 結果を出すこと? 感謝すること? 人々に夢や希望を与えること?

あなたは生まれてからずっと、居場所が欲しくて結果を求めていた。いつしか、結果だけを求めるようになり、自らの努力を常に否定し、やっと得た居場所を蔑ろにするようになった。

目が覚めて、努力と、居場所を見つめ直し、自分を認められるようになった。生まれてくる前のような安心感にたゆたい、このまま死んでもいいと思った。

その安心感を裏づけたものは、自分自身と他者の存在そのものであることを、忘れていた。満足したら最後、結局自らも他者も幻のまま終わってしまう。

生まれてくる命を待つ人がいる。失われる命を悼む人がいる。生まれる前の世界にいると感じたり、死後の世界にいると感じたりしたけれど、やっぱり自分は生きていると他者の存在を通して思い出した。

また目が覚めた。

努力は、あなたの後ろにある。仲間はあなたと共にある。結果は、あなたの前にある。三位一体。三つ巴。

あなたが存在する限り、あなたが自ら消さない限り、それらは絶対消えたりしない。あなたはやっぱり、結果を求めてやまないアスリートだ。

死んでも死にきれない。伝えたい思い。矛盾した思い。

アスリートに役割なんかない。ただ、自分として生きていたい。そんな自分でも、他者と繋がりたい。
手を伸ばせ。足を止めるな。

忘れるな。あなたは生きていることを。あなたは生かされていることを

#paris2024#athletics
@worldathletics
#田中希実#のん#ありがとうございました

 ◇ ◇ ◇

 田中はTHE ANSWERにて自筆コラム「田中希実の考えごと」を連載中。6月に掲載した第5、6回では「オリンピアンとして考えたこと」と題し、近年の苦しみやアスリート観をありのままの文章で表現し、ファンの胸を打つ内容だった。

 今回のインスタグラムには「ゴール後 ※死人に口無しのはずなのに」のほかに、「スタート前 ※能書きはいいから早く走れ」の2つを投稿。合わせて5500件を超える「いいね!」がつき、反響を集めている。

(THE ANSWER編集部)


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