田中希実、トラックに静かに一礼 苦しんだ2度目の五輪に別れ「幸せな時間。とても嬉しい」
パリ五輪は8日、陸上女子1500メートル準決勝が行われ、日本の田中希実(New Balance)が3分59秒70の2組11着で準決勝敗退だった。2度目の五輪は終戦となり、レース後はトラックに静かに一礼。「幸せな時間だった」と苦しみも味わった大会を振り返った。
パリ五輪
パリ五輪は8日、陸上女子1500メートル準決勝が行われ、日本の田中希実(New Balance)が3分59秒70の2組11着で準決勝敗退だった。2度目の五輪は終戦となり、レース後はトラックに静かに一礼。「幸せな時間だった」と苦しみも味わった大会を振り返った。
【注目】THE ANSWERの姉妹サイト、スポーツを楽しむすべての女性を応援するメディア「W-ANS ACADEMY(ワンス・アカデミー)」はこちら!
田中は序盤は中団やや後方でスタート。日本記録を上回るハイペースで進み、9番手で800メートルを通過した。残り400メートルで8番手。先頭集団は最後までペースが落ちず、田中は差を広げられた。11着でフィニッシュ。決勝進出はならなかったが、東京五輪以来の3分台を出してみせた。他の選手たちと健闘を称え合ったレース後、くるりと振り返り、トラックに静かに頭を下げた。
感謝を込め、トラックに挨拶をするのは毎レース恒例。東京五輪で8位入賞した際も「ありがとうございましたーっ!」と叫んだことが話題を集めた。兵庫・西脇工高時代から大事にしている習慣。2度目の大舞台を終えても欠かさなかった。
レース後の中継インタビュー序盤は晴れやかな表情で「多くの方の存在を思い出したおかげで自分だけの走りじゃなく、みんなの走りだと表現するために走ることができた。目に見える形で決勝をお見せできなかったのは凄く残念ですが、いつかもう一回立ってみせると思えるような新たな気持ちをつくり出せるレースだった」と振り返った。
さらにパリ五輪を終え「本当に苦しい時間が思ったより長い大会」と回顧。声を震わせ「それは私にとって今回必要な時間、試練であって、ただ苦しいだけじゃなく、理不尽な苦しみではなく、与えられるべくして与えられた本当に幸せな時間だったと思うので、そういう時間を味わえたことがとても嬉しいです」と嬉し涙を流した。
6日の予選ではラスト1周に接触のアクシデント。4分4秒28で組11着だったが、救済措置により準決勝に進出していた。東京五輪は1500メートルで3分59秒19の日本記録をマークし、日本人初となる8位入賞の快挙を達成。今大会は1500&5000メートルで2大会連続出場を果たし、5000メートルも予選敗退していた。
(THE ANSWER編集部)