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陸上「裸足の天才少女」VS「米国の恋人」で渦巻いた論争 接触転倒、続いた故意を疑う海外報道【オリンピック事件簿】

パリ五輪は連日熱戦が繰り広げられている。夏季は1896年に第1回大会が開催され、今回で33回目。数々の名場面のほか、記憶に残る“事件”も起きてきた。4年に一度のこの機会に、過去の出来事を「オリンピック事件簿」として振り返る。1984年ロサンゼルス大会の陸上女子3000メートルでは、裸足の天才少女と地元米国の人気選手という対照的な2人が“事件”の当事者となった。

1984年ロサンゼルス大会、陸上女子3000メートル【写真:Getty Images】
1984年ロサンゼルス大会、陸上女子3000メートル【写真:Getty Images】

1984年ロサンゼルス大会、陸上女子3000メートル

 パリ五輪は連日熱戦が繰り広げられている。夏季は1896年に第1回大会が開催され、今回で33回目。数々の名場面のほか、記憶に残る“事件”も起きてきた。4年に一度のこの機会に、過去の出来事を「オリンピック事件簿」として振り返る。1984年ロサンゼルス大会の陸上女子3000メートルでは、裸足の天才少女と地元米国の人気選手という対照的な2人が“事件”の当事者となった。

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 南アフリカのゾーラ・バッドは、5000メートルで2度の世界記録を出した名ランナー。一方で米国のメアリー・デッカーは、前年の世界陸上で優勝しており、この種目の強力な優勝候補と見られていた。2人が先頭を争ったトラック上で、事件は起きた。

 レースは、バッドもデッカーも先頭集団で引っ張る展開。いつも裸足で走ることで有名だったバッドは、この時まだ18歳だった。1700メートルを過ぎ、カーブから直線に入ったところでバッドが内に切れ込むと、わずかに後ろを走っていたデッカーの進路をふさぐ形となった。2度にわたる接触でデッカーは転倒。トラック内の芝生へ転がりながら倒れこんだ。

 左脚を押さえながら立ち上がれないデッカーに、観衆は騒然。そのまま負傷棄権した。一方、この間に先頭を奪われたバッドは一旦抜き返したものの、「アメリカの恋人」と呼ばれたデッカーを転ばせたことに対する激しいブーイングに気圧されるかのようにペースダウン。7位に終わり、ルーマニアのマリチカ・プイカが8分35秒96の当時の五輪レコードで優勝した。

 ほぼ正面からの中継映像では、バッドが出した左足にデッカーがつまづいたように見えることから、大会後までバッドが故意に転倒させたのではないかとの報道が続いたが、その後は不慮のアクシデントと判明している。バッドは当時、南アフリカが人種差別政策をとり五輪から締め出されていたため、英国籍を取得しての五輪出場だったことも物議を醸した。

(THE ANSWER編集部)

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