「金メダルを2つもらえないか?」 決着つけない究極のスポーツマンシップ、東京で生まれた珍光景【東京五輪プレーバック】
連日熱戦が繰り広げられているパリ五輪。前回2021年東京大会でも、数々の印象に残る場面が生まれた。4年に1度の大舞台を盛り上げるべく、前回大会をプレーバックする。陸上の男子走り高跳びでは、決勝に残った2人がともに決着をつけることを望まず、2人の金メダリストが誕生する異例の光景が生まれた。
2021年、無観客の東京五輪で感動呼んだ名場面
連日熱戦が繰り広げられているパリ五輪。前回2021年東京大会でも、数々の印象に残る場面が生まれた。4年に1度の大舞台を盛り上げるべく、前回大会をプレーバックする。陸上の男子走り高跳びでは、決勝に残った2人がともに決着をつけることを望まず、2人の金メダリストが誕生する異例の光景が生まれた。
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同種目で2012年ロンドンで銅、2016年リオデジャネイロで銀メダルを獲得していたムタズエサ・バルシム(カタール)と、ジャンマルコ・タンベリ(イタリア)の決着はなかなかつかなかった。競技は2時間に及ぼうとしていた。
決勝では2メートル39にバーが上がったが、2人はともに3度の試技に失敗した。ともに2メートル37を1回で成功させ、失敗した試技もなかったためポイントも全く同じ。本来なら決着をつける“ジャンプオフ”に進むはずだった。審判員が2人にジャンプオフをするか尋ねると、バルシムは逆に「金メダルを2つもらえないか?」と返した。審判員が同意すると2人は握手、ハグを交わし、お互いを祝福した。
五輪のタイトルを分け合うと選手の判断で決めたこの瞬間は、お互いの健闘を称えるスポーツマンシップを象徴していると大きな注目を集めた。翌日行われた表彰式、2人はお互いに金メダルを掛け合ってニッコリ。国歌はカタール、イタリアの順に流れた。
(THE ANSWER編集部)