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オリンピックの金メダル売ったらいくら? 金は高騰も実は原価が…過去に実際に売却した選手は「1.5億円」

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

パリ五輪の金メダル【写真:ロイター】
パリ五輪の金メダル【写真:ロイター】

「シン・オリンピックのミカタ」#23 連載「オリンピック・トリビア」第7回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

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 今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第7回は「オリンピックの金メダルって、売ったらいくらになるの?」。

 ◇ ◇ ◇

Q.オリンピックの金メダルって、売ったらいくらになるの?

A。溶かして売ったら意外なほど……。

【解説】

 世界的な金の高騰で金メダルの価値も相当上がったに違いない、と思う人もいるでしょうが、オリンピックの金メダルはメッキ。銀メダルの表面を6グラムの純金で覆ったものなので、原材料費はそれほど高価ではありません。

 今大会の金メダルは529グラム。中央にはエッフェル塔の補修工事の時に出た鉄が18グラム使われています。もとになる銀メダルの銀は純度92.5%の「スターリングシルバー」。1グラム120円ほどで約500グラムですから銀メダルの原価は6万円程度になります。金メダルは銀メダルを1グラム1万3000円ほどの純金6グラムでメッキしたもの。ストラップなどを合わせても、原価は15万円はいかないはずです。

 かつては金メダルを純金で作った大会もありましたが、これだとメダル製作費を負担する開催都市の出費が莫大になります。金メダルをメッキにすることで、メダルにかかる経費を削減したというわけです。

 原価はそれほど高くないとはいえ、大舞台のオリンピックでのメダルには価値があります。実際に過去には売却した選手もいます。

 96年アトランタ大会ボクシングのウクライナ代表クリチコは2012年にオークションに出品。100万ドル(約1億5000万円)という高額な売却金は、母国の子どもたちのスポーツや教育のための基金に寄付されました。2000年シドニー大会競泳のアービン(米国)も金メダルを売却し、スマトラ沖地震の被災者のために寄付しています。

 ちなみに、金メダルを紛失した日本人選手は過去2人。ともにレスリング・フリースタイル最軽量級の吉田義勝(64年東京大会)と小林孝至(88年ソウル大会)です。もっとも、2個ともすぐに本人の手に戻りました。持っていて最も価値があるのは獲得した選手本人、ということでしょう。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)



荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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