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八村塁の1on1能力に頼った日本の連係欠如 警戒必至の残り2戦「鍵を握るのは…」2人の選手【渡邉拓馬の目】

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

ドイツ戦に出場した八村塁【写真:FIBA提供】
ドイツ戦に出場した八村塁【写真:FIBA提供】

「シン・オリンピックのミカタ」#12 男子バスケットボール解説・渡邉拓馬

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

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 大会期間中、各競技のスペシャリストによる試合解説を随時展開する。今回は男子バスケットボール。1次リーグB組の初戦が行われ、世界ランク26位の日本が同3位で昨夏のワールドカップ(W杯)王者ドイツに77-97で敗れた。八村塁、渡邊雄太ら歴代最強メンバーを擁しながら、完敗に終わった日本。この試合を元日本代表・渡邉拓馬氏が分析する。敗因はどこにあったのか。そして、1次リーグの残り2試合に向けた課題と、鍵を握る2人の選手とは――。(構成=藤井 雅彦)

 ◇ ◇ ◇

 五輪初戦の77-97という結果を必要以上に悲観してはいけません。約1年前のW杯でも初戦でドイツと対戦し、当時は63-81で敗れました。点差はほとんど変わっていませんが、戦いぶりには日本の成長がしっかりと見えました。

 東京五輪やW杯を経験したことで、選手たちが国際舞台に慣れてきたのはとても大きい。世界ランキング3位でW杯優勝国のドイツと対峙しても、最初から最後まで堂々と戦っていた。佇まいに風格やプライドを感じましたし、落ち着いてプレーできていたように感じます。メンタル面が原因の立ち合い負けをしなくなったのは、戦う意味でものすごく重要です。

 そういった雰囲気は相手にも伝わっていたのでしょう。ドイツの戦い方は日本を格下と見ている様子ではなかったですし、メダルを狙うチームとして結果と内容をしっかりと追い求めてきた。格上に対してワンサイドゲームを強いられることなく、最後まで粘り強く渡り合えたのはポジティブな材料です。

 ただしレベル差があったのも事実。サイズとフィジカル、そして3Pシュートの精度の差が最終スコアにつながりました。日本チームの選手たちは見ている側では分からないプレッシャーを感じていたはず。普段なら攻め切れている速攻を攻め切れない場面や、通るはずのパスにもディフェンスの手が伸びてきた。

 オフェンスに目を移しても、ドイツは誰がコートに立っても得点力を落とさない選手層があって、特にオープンな状態を作ってからの3Pシュートの精度はものすごく高かった。日本が狙っていた展開を作られてしまい、なおかつしっかりと決めてくる。さすが強豪チームというプレーでした。

 そんなメダル候補のチームと1on1で互角以上に戦えていたのが八村塁選手です。20得点10リバウンドのスタッツが示すように、個で対等に渡り合えるあたりはNBAプレーヤーの凄み。彼がボールを持つと相手選手を引きつけることができて、味方に時間とスペースを提供できる。いるか、いないかで日本はまったく違うチームになる存在感は稀有でしょう。八村選手、渡邊雄太選手、ジョシュ・ホーキンソン選手が揃ってコートに立っている時間は、サイズの面でもひけを取りませんでした。

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