奥原希望、世界5位の強豪に完勝 3戦全勝で決勝T進出「点数以上に良い試合できた」
バドミントンの国際大会BWFワールドツアーファイナルズは13日、各種目の予選ラウンド最終日を行い、女子シングルスの奥原希望(太陽ホールディングス)は、2-0で世界ランク5位のラチャノック・インタノン(タイ)を破り、3連勝でB組の首位通過を決めた。今季の成績上位8人のみが参加する大会で、予選ラウンドは4人1組の総当たり1回戦。各組上位2位が決勝トーナメントに進む。
タイ選手にストレート勝ち、表情に自信「自分がスピードを保てればいけると」
バドミントンの国際大会BWFワールドツアーファイナルズは13日、各種目の予選ラウンド最終日を行い、女子シングルスの奥原希望(太陽ホールディングス)は、2-0で世界ランク5位のラチャノック・インタノン(タイ)を破り、3連勝でB組の首位通過を決めた。今季の成績上位8人のみが参加する大会で、予選ラウンドは4人1組の総当たり1回戦。各組上位2位が決勝トーナメントに進む。
世界の強豪をまったく寄せ付けなかった。現在、取り組んでいるフットワークの改善により、シャトルの落下点へ素早く入り、選択肢を多く持った状況からのショットで相手を揺さぶった。スピードについていけず、不利な体勢になりながら、奥原をかわそうと左右に振り回す相手はミスを連発。第1ゲームは11-3の折り返しから21-14で奥原が先取した。第2ゲームも終始、優位にラリーを展開して21-12と圧倒。試合後は、自信に満ちた表情で「初日に(世界ランク1位の)タイ・ツーイン選手と戦って、昨日はダメージがあった。インタノン選手は昨日、タイ・ツーイン選手とハードな試合をしたので、絶対に自分がスピードを保てればいけると思い、ガンガン、スピードを出して勝負したら相手が途中で切れてくれた」と手応えを語った。
奥原は、2016年リオデジャネイロ五輪の銅メダリスト。同じ大会で女子ダブルスの高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)が金メダルを獲得したが、シングルス種目では奥原が日本唯一の五輪メダリストだ。リオ五輪翌年の2017年には、世界選手権で優勝した。両膝を手術した経験があり、好パフォーマンスを持続できない苦しみも味わって来たが、大目標の2020年東京五輪に照準を合わせ、調子を上げてきている。今季は、国際大会で準優勝6回。好成績だが、タイトルに恵まれていない。夏の世界選手権でも銀メダルで、悔し涙を流した。常に1番であることに並々ならぬこだわりがある。
今大会は、2020年東京五輪の出場権争いにおいて、世界選手権に次いで高いランキングポイントが設定されていることもあり、強豪選手のサバイバル戦となっている。その中において、初戦で世界ランク1位を破るなど、優勝の可能性を感じさせる勝ち上がりを見せており「毎回ハイレベルな試合だけど、今日は点数以上に良い試合ができた」と充実感を漂わせている。翌14日に行われる準決勝の組み合わせは、13日のすべての試合が終わった後の抽選で決まる。女子シングルスは、A組で山口茜(再春館製薬所)と、チェン・ユーフェイ(中国)がすでに突破を決めている。また、B組では、タイ・ツーイン(台湾)が2位で通過を決めた。奥原は、A・B組どちらかの2位と対戦する。
「先のことは考えず、今できることをやるだけ。今季最後の大会、自分らしく終わりたい」
控えめな言葉を選んだが、1年の締めくくりに頂点に立てる選手であることを再証明したい気持ちを持っていることは間違いない。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)