阿部詩「情けなくて悔しい」 準Vで五輪内定ならず号泣「神様からの試練と思って」
東京五輪代表選考会の一つとなっている柔道グランドスラム(GS)大阪大会の第1日が22日、丸善インテックアリーナ大阪で行われ、世界選手権2連覇中の女子52キロ級・阿部詩(日体大)が、決勝で世界ランク1位のアマンディーヌ・ブシャール(フランス)に敗れ、大会3連覇を逃した。優勝すれば初の五輪出場内定の可能性があったが、2月以降に持ち越しとなった。
延長3分40秒で技あり奪われ敗戦、畳から降りられず涙ぬぐう
東京五輪代表選考会の一つとなっている柔道グランドスラム(GS)大阪大会の第1日が22日、丸善インテックアリーナ大阪で行われ、世界選手権2連覇中の女子52キロ級・阿部詩(日体大)が、決勝で世界ランク1位のアマンディーヌ・ブシャール(フランス)に敗れ、大会3連覇を逃した。優勝すれば初の五輪出場内定の可能性があったが、2月以降に持ち越しとなった。
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兄・一二三の優勝から約20分。詩も優勝を目指して戦い抜いた。4分では決着がつかず、ゴールデンスコア方式の延長に突入し、2分過ぎ、相手の投げ技に詩の体が浮く。観客から悲鳴が上がったが、技は決まらなかった。迎えた延長3分40秒。ブシャールに肩車をかけられ技あり。勝敗が決した。相手が渾身のガッツポーズをする横で審判を茫然と見つめた。礼を終えると、両手を膝につく。中々畳から降りられず、涙をぬぐった。
涙が止まらなかった詩は、試合後のインタビューで「自分の情けなさと……悔しい気分です」と肩を落とした。涙の理由を問われると、「最後まで戦い抜こうと心に決めて挑んだ大会だった。お兄ちゃんがしっかり勝って、自分もやってやろうと思っていたんですが、最後の最後に甘さというか……」と力なく振り返った。
五輪は男女7階級で出場権は各階級1人。日本代表の選考は3段階あり、一つは8月の世界選手権優勝者が今大会を制し、試合後に行われる全柔連強化委員会で出席者の3分の2以上が賛成すれば内定する。今夏の世界選手権を制した阿部は優勝すれば、内定する可能性があった。準決勝でライバルの志々目愛(了徳寺大職)を下していたが、決勝で敗れる結果となった。