イングランド、完敗で2度目のVならず エディーHCは“第二の故郷”日本で無念
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は2日、横浜国際総合競技場で決勝が行われ、世界ランク1位のイングランドが同3位の南アフリカと激突。2003年大会以来、2度目の優勝を目指したイングランドは勝負所でのペナルティが重なり、12-32で敗れた。前回大会で日本代表を率いたエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)にとっても悲願の初Vはならなかった。
2003年以来、2度目の優勝には届かず
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は2日、横浜国際総合競技場で決勝が行われ、世界ランク1位のイングランドが同3位の南アフリカと激突。2003年大会以来、2度目の優勝を目指したイングランドは勝負所でのペナルティが重なり、12-32で敗れた。前回大会で日本代表を率いたエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)にとっても悲願の初Vはならなかった。
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イングランドは「死のC組」といわれた1次リーグで3勝1分け(中止による引き分け扱い)と無敗で1位通過。準々決勝でオーストラリアを、準決勝ではニュージーランドを連破し、世界ランク1位まで上り詰めていたが、決勝では南アフリカの鉄壁の守備を崩しきれなかった。
勝負所でのペナルティが最後まで響いた。前半8分にノットリリースザボールの反則から、PGでの先制点を許す展開。22分にはCTBファレルのPGで追いついたが、前半だけで4本のPGを決められた。
前半30分にはラインアウトからボールをキープし、フェーズを重ねて波状攻撃をしかけたが、南アフリカの鉄壁のディフェンスの前にトライが奪えなかった。
後半も取っては取り返し、懸命に食らいついたが、26分には痛恨のトライで失点。12-25と引き離された。33分にもトライを許し、万事休した。
ジョーンズHCにとっても、指揮官としての悲願の優勝はならなかった。母は日系米国人、妻は日本人。オーストラリアのタスマニア州バーニー出身だが、指導者としての原点は日本だった。32歳での現役引退後、1996年に東海大監督に就任し、指導者の道を歩み始めた。
98年からブランビーズの監督を務め、01年にスーパーラグビーを制覇した。同年から母国の代表監督に就任したが、03年W杯決勝は、延長の末にイングランドに17-20で敗れ、優勝カップに届かず。しかし、07年大会は南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてチームの世界一を支えた。
09年から日本のトップリーグ・サントリーでGM、監督を務めると、12年から日本代表を率いた。15年大会1次リーグでは南アフリカから大金星を挙げ、世界中から「スポーツ界最大の番狂わせ」と称賛される結果を残すなど3勝。選手たちから「鬼」と恐れられる厳しい練習で、日本ラグビーに哲学を植え付けた。
イングランドでも規律を重んじ、緻密に計算されつくした戦術で駆け上がってきた。自国開催だった15年大会、初の予選リーグ敗退で屈辱を味わったラグビーの母国。再建を託され、16年に同国初の外国人指揮官としてチームを決勝まで導いたが、あと一歩届かなかった。
(THE ANSWER編集部・角野 敬介 / Keisuke Sumino)