レフェリー音声から伝わる新たな魅力 審判が何度も「ありがとう」と繰り返す理由
主将が質問に行けば、レフェリーは判定の根拠を説明…時にはアドバイスも
また、レフェリーのマイクを通じて、選手との会話も聞こえる。ラグビーはコミュニケーションが重視されるスポーツで、レフェリーと選手のコミュニケーションもその一つ。どのプレーが反則と裁定されたのか、試合中にチームの主将が質問に行けば、レフェリーは自分の判定の根拠を説明し、時にはどうすれば反則にならなかったかなどアドバイスを送ることもある。時には同意できない理由もあるかもしれないが、少なくともレフェリーの言い分は明白。そこにマイクが加わることで試合を見ている全ての人に対し、レフェリーが説明責任を果たすことにもなる。
防具も着けずに生身の体でぶつかり合うラグビーには荒々しいイメージがついて回るが、試合中に選手がレフェリーの裁定に従わなかったり、暴言を吐いたりすることは、ほとんどない。試合後には勝敗に関係なく、対戦相手を称え合う姿が感動を呼んでいるが、こういった点もまた、ラグビーが「紳士のスポーツ」と呼ばれる理由の一つ。他のスポーツも見習うべき点は多いかもしれない。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)