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“なおみフィーバー”の裏で、今年も繰り返される「フラッシュ禁止」のアナウンス

今大会の会場・ITC靱テニスセンターの観客席通路には注意書きが貼られている【写真:浜田洋平】
今大会の会場・ITC靱テニスセンターの観客席通路には注意書きが貼られている【写真:浜田洋平】

試合直前練習に響く警備員の声「試合前なのでやめてください!」

 18日の試合2時間前。大坂がウォーミングアップをする練習コートの周りには約400人のファンが集まった。練習後、汗をかいた大坂がファンの群がるフェンスに歩み寄る。手元から自分のペンを取り出し、うちわや色紙などグッズにサインを記した。試合直前にも関わらず、自分を見に来たファンへの心のこもった対応。しかし、コートからクラブハウスへの通路の幅は3メートルもなく、何重にもできた人の波はごった返しに。警備員の「試合前なのでやめてください!」という声が響いた。

 プロ野球やゴルフでも、選手とファンの距離が縮まる場面でのアクシデントや危険性が話題になった。大坂にとって今大会の会場は、3歳の頃に父のレオナルド・フランソワ氏とともに練習をしていた思い出深い場所。集まった3346人の観衆の前で世界レベルのプレーを見せ、試合後の記者会見では日本のファンについて持ち前のチャーミングな笑顔で語った。

「観客の皆さんはいつも私に対してリスペクトを持って接してくれているので、非常に嬉しい。誰にでもそういう姿勢を見せてくれる。対戦相手がいいプレーをすれば拍手をしてくれるし、もちろん私のプレーにもね。ミスをすると『ウー』ってため息が出るということもあるけど、そういうのも私が楽しんでいるところですよ」

 20日の準々決勝で世界ランク36位ユリア・プティンツェワ(カザフスタン)と対戦。勝ち進めば、21日に準決勝、22日に決勝を予定。5度目の本戦出場で1995年の伊達公子以来、日本勢24年ぶりの大会制覇を狙う。

 一流選手を間近で見られる瞬間を楽しんでもらいたいのは、選手も、運営側も皆同じ。今大会、大坂が見られるのは多くて残り3試合。大観衆の中心に立つ選手への“気遣い”が求められる。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)


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