奥原希望がリオ五輪女王と1回戦で激突 17日開幕中国OP、日本勢は序盤から注目カード
女子ダブルスの注目点はファイナルズ出場権争い
女子ダブルスは、第2シードの高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)と第3シードの福島由紀/廣田彩花(アメリカンベイプ)が準決勝で対戦する可能性がある。世界ランク1~3位を占める中、最大2枠の東京五輪出場権争いが激しいが、目下最大の注目点は、BWFワールドツアーファイナルズ(12月、中国)の出場権争いだ。ファイナルズは、スーパー1000に相当するランキングポイントが設定されており、1カ国から最大2組しか出場できないため、出場した2組が出場できなかった1組に差を付ける可能性がある。松本麻佑/永原和可菜(北都銀行)が世界選手権の優勝で優先出場権を獲得したため、同大会への出場権を、高橋/松友と、3年連続の世界選手権準優勝の福島/廣田のどちらが得るかが注目されており、ともに1回戦から危険な相手で決して楽なヤマではないが、準決勝で直接対決が実現すれば最大級のハイライトとなる。
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そのほか、男子シングルスでは、世界選手権を2連覇した桃田賢斗(NTT東日本)が初戦で2008年、12年五輪連覇のレジェンド、林丹(リン・ダン=中国)と対戦。現在の力では桃田の優位は動かないが、ビッグネーム同士でこちらも豪華な1回戦となる。桃田の最大のライバルである石宇奇(シー・ユーチ=中国)は、7月のインドネシアオープンの試合中に左足首を負傷した後、まだ回復が十分ではなく、中国オープンはエントリーをしたものの回避する見込み。同じく負傷で6月から離脱中だった2017年世界選手権覇者のビクター・アクセルセン(デンマーク)は、復帰する。1回戦の相手は、常山幹太(トナミ運輸)となっている。
女子シングルスは、前述の奥原のカードが注目だが、世界選手権1回戦で敗れた世界ランク1位の山口茜(再春館製薬所)の状態も気にかかる。7月にインドネシアオープン(スーパー1000)とダイハツヨネックスジャパンオープン(スーパー750)を2週連続優勝で飾ったが、世界選手権では直前に腰を痛めた影響からプレーが冴えず、本領を発揮できなかった。勝ち上がりもさることながら、まずは回復状況が注目される。また、韓国期待の17歳の超新星アン・セヨンが、大舞台に初参戦。注目の若手が大舞台でどこまで戦えるのかも見どころとなる。
混合ダブルスは、世界選手権で日本勢として初めて同種目のメダルを獲得した渡辺勇大/東野有紗(日本ユニシス)が、中国2強に挑戦できるかどうかがポイント。世界選手権では、優勝した世界ランク1位のツェン・シーウェイ/ファン・ヤチョン(中国)に敗れ、渡辺が「相手が強過ぎる」と話したが、攻略の突破口を探るためにもさらなる対戦経験が必要。準決勝まで勝ち上がり、再戦することが期待される。
常州・中国オープンは、年内に残された最後のスーパー1000。戦線復帰する大物あり、勢いに乗る気鋭あり。誰が、どのような勝ち上がりを見せるのか、楽しみだ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)