桃田賢斗、無敵の連覇 全6試合で隙与えず、掴んだ自信「昨年とは全然違う重み」
無敵だった。バドミントン世界選手権(スイス、バーゼル)は現地時間25日に各種目の決勝を行い、男子シングルスは桃田賢斗(NTT東日本)が2-0(21-9、21-3)でアンダース・アントンセン(デンマーク)を破り、同種目で日本勢初となる2連覇を果たした。
全試合ストレート勝ちでV2「こんなにスムーズに優勝できるとは…」
無敵だった。バドミントン世界選手権(スイス、バーゼル)は現地時間25日に各種目の決勝を行い、男子シングルスは桃田賢斗(NTT東日本)が2-0(21-9、21-3)でアンダース・アントンセン(デンマーク)を破り、同種目で日本勢初となる2連覇を果たした。初戦の2回戦から、1ゲームも取られることなく、すべての試合をストレートで勝利。試合後、コート上でインタビューを受けた桃田は「こんなにスムーズに優勝できるとは思っていなかった。たくさんの人のおかげで頑張ることができた。東京五輪に照準を合わせるのではなく、一試合一試合、応援してくれるファン、サポートしてくれる人のために全力で戦う」と、止まることなく勝ち続ける決意を語った。
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日本で生中継が行われた一戦で、桃田は圧倒的な強さを示した。第1ゲームの序盤こそ大きな点差はつかなかったが、コートや相手の感触を確かめ終わると、11点のインターバルからは、まったく相手を寄せ付けなかった。前日の準決勝で疲労が溜まったというアントンセンは、試合途中から左の脇腹辺りを気にするような仕草を見せるなど、明らかに不調。ミスショットで次々に点を失った。一方的な展開は第2ゲームも変わらなかった。最後は、アントンセンのスマッシュをダイビングレシーブ。桃田は、相手コートにシャトルが落ちるのを見届けると、倒れ込んだままガッツポーズで喜びを噛み締めた。
桃田は「昨年はディフェンス主体のプレーで優勝できたが、そこから対策をされるようになった。守ってばかりでは勝てないと分かり、アグレッシブに攻めていくことをテーマに取り組んできた。今大会では、より早く、より前にというアグレッシブなプレーができた分、ディフェンスでも相手にプレッシャーを与えることができ、優勝の要因になったと思う」と手ごたえを語った。
元々、今大会は前回準優勝の石宇奇(中国)や一昨年の王者であるビクター・アクセルセン(デンマーク)が欠場しており、桃田はダントツの優勝候補だった。しかも、大会中に世界ランク2位の周天成(チョウ・ティエンチェン=台湾)や同4位のヨナタン・クリスティー(インドネシア)、同5位でリオデジャネイロ五輪金メダルのチェン・ロン(中国)、7月にダイハツヨネックスジャパンオープンで激闘を繰り広げた好敵手のアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)と、ライバル候補が次々に姿を消した。桃田が今大会で戦った世界ランク1ケタの選手は、アントンセンのみ。楽な勝ち上がりになった。
ただ、単なるラッキーではない。全試合で隙を与えなかった意味は大きく、桃田は「向かって来る相手に対して6試合すべてストレートで勝てたことは、自分にとっては昨年とは全然違う重みがある」と自信を得た様子だった。各強豪選手が勝ち続ける難しさを痛感させられる中、唯一、揺らぐことなく、勝ち続けたからこその2連覇だ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)