「日本人の基本」? トップアスリートが考える「フェアプレイ」とは
「本当にフェアプレーというのは笑顔になれますし、気持ちがいい」
また、大山さんはバレーボールのブロックにおけるワンタッチに「フェアプレイ」の精神を見ることができると言及。「ワンタッチしたかは、自分しかわからないケースが結構あります。審判がアウトとジャッジをすれば、それを黙ってしまう時もある。相手が抗議しても、嘘をついてしまうケースもある。そこで『触りました』と言える選手は見ていて気持ちいいですし、そういった選手、チームは会場が応援したくなる」と明かした。
有森さんが明かしたマラソンでの「フェアプレイ」は、給水ポイントでのコース取りだ。「相手の邪魔になる」「他の選手のドリンクを倒してしまう」といったリスクのある給水ポイントでは「アクシデントを起こさないように」注意が必要だという。有森さんは「わざとじゃないけど人の(ドリンク)を倒したというような流れにならないように、早めに行動を打つというのは少しレースの中でやったりします」と説明した。
他にも、山本昌さんは昨年の引退試合で、対戦相手の広島が上位争いをしている状況にもかかわらず、敵地ファンが大歓声を送ってくれたことに「フェアだなと思いました」と感謝。また、大山さんは顔面にスパイクを受けて負傷退場した後に、試合に負けた相手選手が謝りに来たエピソードを挙げ、「Vリーグの大事な試合で、相手は負けられない状況でしたけど、その結果にかかわらず私の心配をして謝りに来てくれたことが嬉しかった」と明かした。
山本昌さんは「本当にフェアプレーというのは笑顔になれますし、気持ちがいいですし、何より日本人の基本ではないかと思っています」と話した。お互いが気持よくプレーするために、まずは「フェアプレイ」の意識を持って行動することが大切だと言えそうだ。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer