女王・野口啓代が日本人トップ2位で五輪内定! 男女通じて初の複合メダル獲得
東京五輪新種目のスポーツクライミング世界選手権(東京・エスフォルタアリーナ八王子)は20日、スピード、ボルダリング、リードの3種目を合わせた複合の女子決勝が行われ、野口啓代(あきよ・TEAM au)が日本人最上位の2位に入り、東京五輪代表に内定した。開催国枠のある競技を除き、新種目では五輪内定第1号。五輪代表は男女各2枠ずつあり、今大会7位以内の日本人最上位者が内定し、8選手で争われる決勝には日本勢4人が名を連ねていた。優勝はヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)、3位にはショウナ・コクシー(英国)が入った。
日本勢4人が決勝に進出した激しい五輪代表争いは30歳野口が最上位
東京五輪新種目のスポーツクライミング世界選手権(東京・エスフォルタアリーナ八王子)は20日、スピード、ボルダリング、リードの3種目を合わせた複合の女子決勝が行われ、野口啓代(あきよ・TEAM au)が日本人最上位の2位に入り、東京五輪代表に内定した。開催国枠のある競技を除き、新種目では五輪内定第1号。五輪代表は男女各2枠ずつあり、今大会7位以内の日本人最上位者が内定し、8選手で争われる決勝には日本勢4人が名を連ねていた。優勝はヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)、3位にはショウナ・コクシー(英国)が入った。
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スピードはホールドの位置が統一され、高さ15メートルの壁を登ってタイムの速さを競う。ボルダリングは複数のコースを完登できた数で争う。リードはロープを使用し、12メートル以上の壁を競技時間内により高く登った選手の勝利となる。各種目の順位を掛け算し、値の小さい選手が上位となる。
五輪種目採用前から国内外で結果を残してきた女子の第一人者・野口は、まさかの出遅れから意地の逆転劇で五輪切符をつかみ取った。ノックアウト方式のスピードでは、1本目に実力者・野中生萌(みほう・XFLAG)と対戦。終盤で足を踏み外し、10秒696で敗れて頭を抱えた。
期待した会場のファンからはため息が漏れる。1本目の敗者同士が戦う2本目でも伊藤ふたば(TEAM au)に敗れ、7、8位決定戦で森秋彩(あい・茨城県連盟)に勝利。メダル候補が予期せぬ7位スタートとなった。
2種目めのボルダリングでは、1トライ目で完登する「一撃」を第1課題で決めて余裕のクリア。第2課題は1トライ目で落下したものの、2トライ目に完登して場内を沸かせた。最後のホールド(突起物)をバンバンと叩いて喜びを表現。3課題中2つを完登し、堂々の1位で終えた。
この時点で日本人トップの総合2位、日本人2番手の野中は5位だった。勝負の最終種目リードを追われる展開で迎えた野口。最後のリードで3位とし、総合2位で逃げ切った。
予選は総合2位で決勝に進出した日本人最年長の30歳。東京五輪での引退を表明しており、最後の世界選手権だった。16歳で初めて出場した世界の舞台。当時は報道も少なく、記者会見もない時代。恵まれない環境の中で努力を続け、競技を引っ張ってきた。念願の五輪種目となって日の目を浴びた大舞台。大勢のファンで様変わりしたスタンドの前で強さを見せ、スポットライトの中心で輝きを放った。
世界選手権で代表内定しなかった選手は、11月の五輪予選(フランス)、来年4月のアジア選手権で選考。有資格者が2人未満、または3人以上の場合は同5月の複合ジャパンカップで決まる。
21日には男子決勝が行われ、楢崎智亜(ともあ)、藤井快(こころ)、楢崎明智(めいち・いずれもTEAM au)、原田海(日新火災)の4人が五輪切符を懸けて争う。
(THE ANSWER編集部)