“女子2トップ”は順当通過、30歳・野口啓代「きつい」 8位・野中生萌「ギリギリ」
野中はボーダーラインの8位通過に興奮「あ~、もう最高です!」
女子の若きエース・野中生萌(みほう・XFLAG)は、スピードの1回目に開始直後のホールド(突起物)をつかみ切れずに落下。会場からため息が漏れたが、2回目は8秒994の5位で登り切り、安堵の笑みを浮かべた。8秒432の日本記録保持者の意地を見せると、ボルダリングでも実力を発揮した。
1課題目を登り切ると、両手でホールドにぶら下がったまま観客の方を向いて歓喜の雄叫び。第3課題は約1分20秒で片づけ、4課題中3つを完登するパワフルさを見せ6位となった。リードでは一つ一つ着実に高度を上げたが、終盤で落下して14位。総合8位とボーダーラインでなんとか決勝に進んだ。
取材エリアでは第一声から喜びを爆発させた。「あ~、もう最高です! 凄く嬉しいです! 9位の選手と同ポイントですし、本当に、本当にギリギリ」と安堵の笑みを浮かべ、「急激によくなることはない」という両肩の痛みを抱えながらも乗り切った。
15歳・森秋彩(あい・茨城県連盟)が5位、17歳・伊藤ふたば(TEAM au)も6位で通過するなど、若手が躍進する中で日本の“2トップ”も順当に通過した。野口は「ボルダリングはいつも通り登れなかった。代表権がかかっているからといってやることは変わらない。ベストパフォーマンスを出す」と気合。野中は「スピードで上位を狙うのが一番。強敵がいるので、しっかりと私も自己ベストを出したい。そこで波に乗りたい。(日本人4人通過で)これ以上面白いファイナルはない」と先を見据えた。
スピードはホールドの位置が統一され、高さ15メートルの壁を登ってタイムの速さを競う。ボルダリングは複数のコースを完登できた数で争う。リードはロープを使用し、12メートル以上の壁を競技時間内により高く登った選手の勝利となる。
世界選手権で代表内定しなかった選手は、11月の五輪予選(フランス)、来年4月のアジア選手権で選考。有資格者が2人未満、または3人以上の場合は同5月の複合ジャパンカップで決まる。
(THE ANSWER編集部)