全仏2回戦で実現 奈良くるみがセンターコートで実感したセリーナの凄み
テニスの4大大会・全仏オープン(テレビ東京系で地上波独占放送)は大会5日目の30日、女子シングルス2回戦が行われ、世界ランク238位の奈良くるみ(安藤証券)は元世界ランク1位のセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)と対戦。センターコートを舞台に全力を尽くしたが、3-6、2-6でストレート負けした。
パワーに注目が集まるが「本当に理詰めでくる選手」
テニスの4大大会・全仏オープン(テレビ東京系で地上波独占放送)は大会5日目の30日、女子シングルス2回戦が行われ、世界ランク238位の奈良くるみ(安藤証券)は元世界ランク1位のセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)と対戦。センターコートを舞台に全力を尽くしたが、3-6、2-6でストレート負けした。
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完敗したが、海外メディアの質問に英語で答える表情は晴れやかだった。
「とてもスペシャルでした。私にとって彼女はベストプレーヤー。今日は負けたけど、セリーナとセンターコートで戦えてとても幸せでした」
序盤は確実にサーブを決めながら積極的に立ち向かった。だが、グランドスラム通算23度優勝の元女王のペースに引き込まれ、「やっぱりセリーナがリターンゲームで、あの位置で待ち構えていると、どうしても早く打ってしまって。最後はコースを狙える余裕がなかったので、相手に好き放題やられてしまったなという感じです」と振り返った。
セリーナとは初対戦。身長155センチの奈良に対して、セリーナは175センチと体格差は歴然としている。ならば、パワーで押されたのかと思いきや、「彼女のショット自体、ボールのスピードとかに、特に驚くとか怖がることはなかったんです」と明かす。
「ポジショニングにしても、本当に基本に忠実。決してスーパーショットがあるわけではない。でも、ちょっとでも私が後ろに下がったり体勢が崩れてきたら、すぐにポジションを前にする。本当に理詰めでくるという印象ですかね。
彼女のサービスゲームも、センターのサーブというよりはワイドで来て、その後に私のフォアハンドに持っていくというのが頭に入っていたのかなって。いつもテレビを見て思っていましたけど、基本通りにやる。今日、実際に試合をやってみて、決して難しいボールを打っているわけではなく、シンプルにやられているなって感じでした」
予選を勝ち上がって掴んだ本戦出場。さらには、1回戦を勝ち上がってセリーナの凄みを体感した。奮闘する奈良の姿には、男子シングルスで3回戦進出を決めた錦織圭(日清食品)も刺激を受けたようで、予選を勝ち上がった時に「すごくいいプレーだった」と声を掛けてもらったという。
「今週一番ハッピーな出来事と言っていいくらい(笑)。いつもお手本にしている錦織選手からそう言ってもらえるのはすごくうれしいです」
現在は自己最高の世界ランク32位から大きく順位を落としているが、復活を後押ししてくれる刺激を、今年の全仏で手にしたのかもしれない。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)