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箱根駅伝に現れた異色ランナー 陸上部のない学校で全国1位に…長崎の離島、1人で走った農道

第102回箱根駅伝は2日、往路が行われ、当日変更で4区に起用された順大・川原琉人(2年)がスタートした。長崎の離島出身。陸上部のない中学で全国1位になった異色のランナーが2度目の箱根路に挑む。

前回の箱根駅伝で5区を走った川原琉人【写真:アフロ】
前回の箱根駅伝で5区を走った川原琉人【写真:アフロ】

第102回箱根駅伝

 第102回箱根駅伝は2日、往路が行われ、当日変更で4区に起用された順大・川原琉人(2年)がスタートした。長崎の離島出身。陸上部のない中学で全国1位になった異色のランナーが2度目の箱根路に挑む。

 6位で母校のタスキを受けた川原は、サングラスの奥の瞳に闘志を宿し、勢い良く走り出した。

 その経歴は多くの箱根ランナーのなかでも特殊だ。長崎の五島列島のひとつ、福江島出身。山梨学院大で箱根駅伝ランナーだった叔父に憧れ、小1で「陸上やる!」と言った。進学した中学に陸上部はなく、陸上経験者だった祖父・高弘さんの指導を受け、中3で3000メートル全国1位のタイムを出すまでに成長した。

 一度は長崎本土の高校に進学したが、2年夏に福江島にある五島南に転校。陸上部は5人、長距離は川原だけ。指導者はおらず、練習メニューも自分で考える。午前5時半から朝練を始め、放課後はいったん帰宅して、近所の農道や土のグラウンドを一人、走り込む日々。フェリーなら3、4時間かかる距離を大会のたび、本土に渡る。

 そんなハンデを乗り越え、2年の1月の全国都道府県駅伝で1区区間新。学校のOBらの寄付金を募り、出場にこぎつけた3年の8月インターハイ(北海道)は5000メートル決勝17位ながら、留学生ランナーを従え、魂を揺さぶる逃げで陸上ファンの心を鷲掴みにした。

「順天堂大学のモットーはトラックでもロードでも、やりたいことをやる。自分の競技経験から、一番合うと感じた」。OBの三浦龍司に憧れ、選んだのは箱根駅伝11度優勝の名門・順大。たった1人で練習するしかなかった川原は多くの仲間に囲まれ、切磋琢磨した。

 上京して環境も変わった。島では最寄りのコンビニまで10キロあったが、今は寮から200メートル足らずの距離にローソンがある。「息抜きでちょっと何か食べたいと思ったらスイーツを買ったり。でも、商品を見るのが好きなので財布を持たずにふらっと店に行ったり(笑)」。最初は電車の乗り換えに戸惑い、歩行者の多さに驚いた。

 箱根駅伝は1年生から出走。山上り5区を託され、区間13位だった。2度目の箱根路は4区で山上りにつなげる。かつて、川原はこう語っていた。「順大は雰囲気がとても良くてやりやすい。一人でやっていたジョグもみんなでやることで意識が高まるし、負けられない気持ちもある」。母校のために力を振り絞る。

(THE ANSWER編集部)



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