韓国プロ野球が騒然、元楽天ポンセのブルージェイズ入り

　プロ野球の日本ハムや楽天でプレーし、今季は韓国プロ野球のハンファで投げたコディ・ポンセ投手が、大リーグのブルージェイズ入りすると2日（日本時間3日）に北米の複数メディアが報じた。3年総額3000万ドル（約46億7000万円）という大型契約が見込まれている。日本では3年で通算10勝にとどまった右腕が稼ぐ金額に、韓国メディアからも驚きの声が上がっている。

　韓国紙「スポーツ朝鮮」は「KBO史上初　586億ウォン（約62億円）のワンツーパンチ同時逆輸出、ハンファはこれほどだったのか」との記事を掲載。ポンセに加え、先発ローテーションの2番手だったライアン・ワイス投手もアストロズ入りするとの米国報道を伝えた。

　ポンセの契約は、ESPNのジェフ・パッサン記者が自身のXで伝えたところによると3年総額3000万ドルで、身体検査の結果待ちだという。ポンセは昨オフ楽天を退団し、今季は韓国のハンファと年俸80万ドル（約1億2400万円）、契約金20万ドル（約3100万円）の条件で契約。シーズン17勝1敗、防御率1.89、勝率.944、韓国プロ野球史上最多となる252奪三振を記録し投手4冠。ハンファが19年ぶりの韓国シリーズ進出を果たす原動力となった。

　またワイスの契約について、スポーツ朝鮮の記事では米専門局「FOXスポーツ」の報道を引用。「2026年の保障年俸260万ドル（約4億500万円）に加え、2027年は球団オプションがある契約に合意した。2年間で最大1000万ドル（約15億5700万円）を受け取れる」とした。ワイスはこれまで大リーグ経験がなく、2023年に台湾プロ野球の富邦入り。昨季からハンファに移籍し、今季は16勝5敗。205個の三振を奪い、ポンセに次ぐ先発2番手として活躍した。

　記事はポンセの韓国での成長を「メジャーリーグ球団は日本を経て韓国で技量が急上昇したポンセに注目してきた。日本でよりもファストボールの平均球速が格段に速くなり、強力なスプリッターを新たに装着して変化球の完成度がはるかに高まった」と指摘。ワイスについても「予測を超える結果だ」とした。特に契約金額に驚きを隠さない。

「今季ハンファの“ワンツーパンチ”がどれほど素晴らしかったか見せてくれる契約だ。ハンファに来る前までは、日本での経験があるが並の投手だったポンセが、大リーグでもすぐに先発ローテーションの5人に入れる特級投手に生まれ変わり、米国の独立リーグで引退するか悩んでいた平凡以下の投手だったワイスは、韓国経由で夢の舞台に足を踏み入れる。最大額でみれば、2人につけられた根案の合計は何と586億ウォンに及ぶ」

　記事はハンファが、ポンセとの契約が難しいことは覚悟していたが、ワイスとは再契約交渉を進め、他球団の関係者も残留するのではないかと見ていたと紹介。ただアストロズがメジャー契約を提示したことで状況が一変したという。「拒絶できない魅惑的な条件」だったからだとしている。