WBCバンタム級世界戦へ会見実施

　ボクシングのWBC世界バンタム級1位・那須川天心（帝拳）と同級2位・井上拓真（大橋）が21日、都内で会見を行った。両者は24日に、江東区のTOYOTA ARENA TOKYOにて同級王座決定戦で激突する。井上は那須川の発言に対して「意識していない」と一蹴。天心も質問者に対して「煽りすぎ（笑）。塩分摂ってください」とたしなめるシーンがあった。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信。戦績は27歳の那須川が7勝（2KO）、29歳の井上が20勝（5KO）2敗。

　那須川は格闘技戦績47戦全勝（キックボクシングは42戦）という華々しい実績を引っ提げて2023年にボクシングに転向。8戦目にして初の世界戦となる。前戦はWBA同級6位だったビクトル・サンティリャン（ドミニカ共和国）に判定勝ちしていた。

　対する井上は23年4月にWBA世界同級王座を獲得。翌24年にジェルウィン・アンカハス（フィリピン）に9回KO勝ち、石田匠（井岡）に判定勝ちを収め、2度の防衛に成功した。しかし、同10月に現WBA休養王者・堤聖也（角海老宝石）に敗れ、王座陥落。引退をするか悩んだ末に現役続行を選んだ。

　会見に登壇した井上は「コンディションもすごくいい。練習も何一つ抜くことなくここまでやり切れた。状態も過去一良い状態」と、充実の表情。試合展開については「始まってみないと分からない」とし、「どの場面でも自分は対応できるように準備している。その面でもポイントはしっかりとっていきたい」と意気込んだ。

　井上の兄は、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の尚弥。12日の公開練習で、那須川は「ボクシング界といえば井上兄弟。世の中の人たちに聞いても、すぐに出てくると思う。そういった概念を壊していきたい」と語っていた。

　これについて問われた拓真は「井上家をぶっ壊すというのは、そこまで意識していない」と一蹴。「知名度もある天心選手に初黒星をつける、自分のファンの期待にも応えるという意味でも倒しに行きたい」と目の前の勝負に集中していた。

　那須川は同じ質問者から「自分が勝ったほうがボクシング界が面白くなる」という旨の発言を過去にしたことに関して、拓真に勝った後は尚弥も倒すという意味が込められているのかと問われた。「試合前に煽りすぎですよね。ちょっとカッカしてます？　塩分摂ってくださいね」と笑いながらたしなめる一幕もあった。