ドラフト会場騒然、監督誤認から予想外のハプニング 覆った指名権…ドタバタ劇から「白紙」誕生【ドラフト事件簿】
プロ野球のドラフト会議が23日に行われる。1965年の第1回以来60年を超える歴史のなかでは、数々のドラマや事件が起きた。2005年秋、当時は高校生と大学・社会人で分けて行われた会議では、後世に残る“当たりくじ誤認事件”が発生。くじのつくりを変更するきっかけにもなった。

2005年高校生ドラフト、陽と辻内が翻弄された1位抽選
プロ野球のドラフト会議が23日に行われる。1965年の第1回以来60年を超える歴史のなかでは、数々のドラマや事件が起きた。2005年秋、当時は高校生と大学・社会人で分けて行われた会議では、後世に残る“当たりくじ誤認事件”が発生。くじのつくりを変更するきっかけにもなった。
事件が起きたのは、10月3日に先行して行われた高校生ドラフトだ。福岡第一高の陽仲寿(よう・ちょんそ、後の陽岱鋼)内野手には、地元のソフトバンクと日本ハムの2球団が1位入札で競合し、抽選となった。くじ引きには両チームの監督が臨んだ。
日本ハムのヒルマン監督が先に引き、ソフトバンクの王貞治監督が続いた。王監督は当たりくじを引いたと確信しガッツポーズ。会場では「交渉権はソフトバンク」とのアナウンスも流れ、陽も地元球団からの指名に笑顔を見せた。
しかしこれが“誤認”だった。「交渉権確定」の判が押されていたのは、日本ハムが引いたくじだった。王監督は外れくじにも押されていたNPB印が、当たりを示すものと誤解していたのだ。気づいた日本ハムの高田繁GMが抗議。再確認の末「交渉権は日本ハム」と訂正された。実は直前に行われていた辻内崇伸投手(大阪桐蔭高)の抽選でも、外れた側のオリックスが当たったと誤認しており、同時に巨人の交渉権獲得に訂正された。
当時、当たりくじは二つ折りの用紙の片面に「交渉権確定」のハンコ、逆面にNPB印の2つが押されていた。はずれの場合はNPB印だけ。翌年以降、NPB印ではなくドラフトのロゴマークを押すようにして事前の注意喚起も行ったが、根本的な解決にはならなかった。10年後に再び事件が起きる。
2015年の会議で翻弄されたのは、東京六大学リーグ歴代最多となる通算131安打を放った高山俊外野手(明大)だ。阪神とヤクルトが1位で競合。くじ引きでは先にヤクルトの真中満監督がガッツポーズし、会場でもヤクルトが交渉権獲得と告げられた。ただこれは、ロゴマークを当たり印と誤認しての結果。真中監督がインタビューで喜びの声を上げた後で「当たりくじを引いたのは阪神球団でございます」とのアナウンスがあり、場内は騒然となった。
その後、より視認性を高めるため、外れくじは何も印がない「白紙」とされ、現在に至っている。
(THE ANSWER編集部)
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