地区シリーズ第4戦

　米大リーグ・ドジャースは9日（日本時間10日）、本拠地での地区シリーズ第4戦でフィリーズと対戦し、延長11回の末2-1でサヨナラ勝ち。リーグ優勝決定シリーズ進出を決めた。現地時間午後3時8分のプレーボール時点では空席が目立った一戦。米メディアが要因となった“大人の事情”を特集している。

　午後の日差しが眩しいドジャースタジアム。シリーズ初の日中開催では、大一番にも関わらずファンもまばらだった。

　スポーツメディア「ジ・アスレチック」は、「ドジャースを見るか、仕事か？　LAのファンは早い開始時間で厳しい決断に直面」との見出しで、デボン・ヘンダーソン記者の署名記事を掲載。ファンが直面するジレンマを伝えた。

　記事では、ドジャースのファンアカウントを運営するテイラー・マシューズ氏のコメントを紹介。「もし試合が午後6時なら、1時間早く仕事を切り上げたり、早く出勤して早く終業したりと選択肢がある」としながら、午後3時開始の現実的な困難さを指摘。「午後3時の試合だと、12時までに仕事を終え、1時までには球場に向かわないと初回に間に合わない。だから、休暇申請は『1時間休みが必要です』というより少し重くなる」と語っている。

　この試合開始時間は、東海岸のテレビ視聴事情が大きく影響しているとみられる。フィラデルフィアでは午後6時8分開始となり、視聴しやすい時間帯に設定されている。さらに、同日夜にはN FLのフィラデルフィア・イーグルスの試合が控えており、MLB側が人気チームとの直接的な視聴率争いを避けた形だ。その結果、西海岸のファンが不便を強いられることになった。

　ドジャースファンは、東海岸の視聴者のための配慮によって、本拠地での応援が困難になるという状況に不満を募らせている。マシューズ氏は「時間はテレビの視聴者数を重視しているように感じる」と述べ、「それにしても、LAで午後3時に座って試合を観戦する人がどれだけいるだろうか？　市場や試合に対する配慮がなく、それが不満だ」と決定に不満をのぞかせていた。