欧州王者ペルージャと対戦

　バレーボールの石川祐希が所属する欧州王者シル・サフェーティ・ペルージャと、高橋藍が主将を務めるSVリーグ・サントリーサンバーズ大阪のエキシビションマッチ「Qoo10 presents ワールドチャレンジシリーズ 2025」が7日、東京・有明アリーナで行われた。試合はペルージャが3-1（20-25、25-21、26-24、25-21）でサントリーを下した。欧州王者に敗れたものの、高橋は異例の交流戦を糧にしていく姿勢を示した。

　意地と意地のぶつかり合いだった。日本のエース同士の対決。第1セット序盤は高橋がブロックアウトを決めるなど、サントリーがリードした。途中8点差まで広げて、主導権を握り続ける。石川のアタックも高いブロックで阻み、サントリーが25-20でこのセットを獲った。

　第2セットは20点近くまで一進一退の攻防が続いた。しかし、世界最高峰のリーグで腕を磨く石川がここで連続サービスエース。チームに流れを引き寄せた。最後も石川が締めて、ペルージャが2セット目を取り返した。

　第3セット終盤、長いラリーが続くと1万4158人のファンが熱狂。24-24のデュースで迎えた高橋のサーブは惜しくも外れ、続いて石川の番に。石川はセットポイントで再びサービスエースを決め、雄叫びを上げた。第4セットはサントリーの総力戦となるも、ペルージャのスピードと高さに一歩及ばなかった。

　試合後、高橋は悔しさをにじませつつも清々しい表情を浮かべていた。「イタリアでトップのチームと自分たちが戦っていく意味を出せた。自分たちは1セット目以降、ダウンしていった部分があったが、ペルージャは逆に上げてきた。それぞれの選手がレベルの高いマインドでやっている。すごく学ばせてもらった」と振り返った。

　高橋は昨年、イタリア1部・セリエAのモンツァから前身の「Vリーグ」から再編された「大同生命SVリーグ」のサントリーサンバーズ大阪に移籍。チームを初代王者へと押し上げた。今回の試合は今年1月に両チームがパートナーシップ契約を締結したことがきっかけで開催。高橋は「日本のSVリーグに関しても世界基準を目標にしていると運営も言っています。そこを目指していく以上、ペルージャと対戦できることは非常に嬉しい」と喜んだ。

　その上で「チームとしては大同生命SVリーグを2連覇する」と強調する。「ペルージャ相手にもしっかり勝っていく。日本のチームも戦えることを見せて、自分たちも自信をつけていく必要がある」と8日の2戦目に向けて意気込み、「特別な機会を楽しんで、クオリティの高いバレーボールを見せていきたい」と力を込めた。