東京世界陸上

　陸上の世界選手権東京大会第7日が19日、国立競技場で行われた。女子やり投げ予選A組に、前回大会女王で2024年パリ五輪金メダリストの北口榛花（JAL）が登場。60メートル38と記録を伸ばせず、B組の結果を待ったが、決勝に進出できなかった。

　日本女子初の連覇の夢は、予選で散った。午後7時30分から始まった予選A組に、北口はトップバッターで登場。大声援を受け、自身も大きな声を出してやりを投じたが、2投目の60メートル38が最高だった。

「たぶん決勝には残れないので悔しい。本当に春先から怪我が続いて精神的にも苦しい部分があったけど、東京世界陸上があるから練習に戻ろうと思えた。今シーズンの素敵なゴールを作ってくれたみなさんに本当に感謝したい」

　フィールドを後にする際は涙をこらえていたが、予選敗退を覚悟した取材エリアでは号泣。決勝進出には62メートル50を超えるか、上位12人に入る必要があった。午後9時からのB組で5人が北口の記録を超え、決勝進出を逃した。

　6月下旬に右肘の違和感を訴え、「右肘内側上顆炎」と診断されて7月の日本選手権を欠場。故障からの復帰戦は50メートル93という低調な記録で最下位。次戦も最下位6位だったが、60メートル72と記録を伸ばした。復調ムードで東京での世界陸上に臨んでいたが、ビッグスローはできなかった。

「一旦休んで、肘のことを考えないで全ての練習ができるようにすることが一番大事。世界大会の借りは世界大会でしか返せない。強くなって戻ってきたい」と北口は懸命に前を向いていた。