“実力8番手”の侍、魂の激走「何かが起きたとしか…」 嵐が呼んだ日本初の偉業【追憶の世界陸上】
陸上の世界選手権東京大会は13日に開幕し、21日までの9日間、国立競技場で熱戦が繰り広げられる。今大会が20回目となる大舞台では、過去に記憶に残る様々なシーンがあった。1991年以来、34年ぶりに東京で開催されるこの機会に「追憶の世界陸上」として振り返る。2005年ヘルシンキ大会、日本の侍ハードラーが、ポジティブな“事件”を起こした。

追憶の世界陸上・2005年ヘルシンキ大会
陸上の世界選手権東京大会は13日に開幕し、21日までの9日間、国立競技場で熱戦が繰り広げられる。今大会が20回目となる大舞台では、過去に記憶に残る様々なシーンがあった。1991年以来、34年ぶりに東京で開催されるこの機会に「追憶の世界陸上」として振り返る。2005年ヘルシンキ大会、日本の侍ハードラーが、ポジティブな“事件”を起こした。
雷鳴がとどろき、大粒の雨がトラックを叩く。2005年ヘルシンキ大会。男子400メートル障害決勝が行われた8月9日は嵐だった。
競技中断などもあり、スタート時間が遅れる中、7レーンの為末大は冷静かつ大胆に攻めた。
悪天候の影響もあったか、メダル候補だったサンチェス(ドミニカ共和国)がスタートから7秒で脚を痛めて棄権。為末は1台目からハイペースで突っ込んだ。
トップで迎えたホームストレート。2人に抜かれた。顎も上がったが、粘りに粘った。上半身を突き出し、前転するようにフィニッシュ。電光掲示板に3位と表示されると、雨に濡れたトラックに突っ伏して泣いた。4位・クレメント(米国)との差はわずか0.08秒だった。
01年エドモントン大会に続く銅メダル。個人のトラック種目で2度表彰台に立った日本人は、今でも為末だけだ。
シーズンベストでは決勝進出8人中最下位。レース後、テレビインタビューで「実力的には8番だったと思う。何かが起きたとしか言いようがない」と話した。
(THE ANSWER編集部)
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