大熱戦の中で見せたマナー

　第107回全国高校野球選手権の神奈川大会は27日、横浜スタジアムで決勝を行った。今春の選抜甲子園を制した横浜が11-3で東海大相模に圧勝し、3年ぶり21回目の夏の甲子園出場を決めた。大熱戦の中で、死球を与えた横浜の4番打者の元に、足を運んで謝った東海大相模の菅野悠投手（3年）に称賛の声が集まっている。

　4-3と横浜が1点リードの5回2死一塁、打席に立ったのは4番打者の奥村頼人（3年）だ。前の打席、ライナーで右翼席に飛び込む2ランを放っているだけでなく、前日の準決勝でも2本塁打の強打者。菅野は内角を攻めた結果、初球が右肩に当たってしまった。

　少し怒ったようなそぶりを見せた奥村頼に対し、菅野は一塁線上で防具を外しているところまでマウンドから足を運び、謝りに行った。この態度にX上で称賛の声が集まっている。

「奥村くんも打ちたかっただろうし　菅野くんも当てたくはなかったはず」
「ホームランからの初球肩付近だし感情的になる奥村くんの気持ちも分かるし、すぐに駆け寄ってちゃんと目を見て謝った菅野くんは本当に立派」
「あの場面は菅野くんが大人でしたね」
「菅野くんの今後も応援したくなる場面でした！」

　菅野は、試合後の囲み取材で「自分がぶつけてしまったことが悪いので、本当に申し訳ない気持ちがあった」と説明。マウンドから降りて謝りにいったことについて「死球を当ててあそこまで感情を出されたことが初めてだったので」と驚きつつも、「でもそこは真摯に謝るべきかなと思ったので、マウンドから降りてちゃんと近くまで行って『あ、すみません』と言いました」と当時の状況を説明した。