第107回全国高校野球選手権・神奈川大会

　高校野球の第107回全国選手権神奈川大会は22日、サーティーフォー保土ヶ谷球場で行われた準々決勝で、ノーシードの平塚学園が春のセンバツ王者・横浜に4-5で逆転サヨナラ負け。勝利まであと1球から2点二塁打を打たれ、大金星寸前で涙をのんだ。試合後、八木崇文監督は「選手はよくやってくれたと思う」とナインをねぎらった。

　あと1球が遠かった。初回、横浜のエース、奥村頼人（3年）に2安打を浴びせ、先制点を奪う。さらに2回、3回と追加点を奪い、4-0と点差を広げた。だが5回、内野ゴロの間に1点を返されると、7回、8回にはタイムリーを浴び1点差に。9回も2死まで奪ったものの、二、三塁の場面でフルカウントから横浜の主将・阿部葉太（3年）にサヨナラの2点二塁打を打たれゲームセット。平塚学園ナインは大粒の涙を流した。

　それでも、秋春日本一を達成した横浜を相手に番狂わせ寸前の大善戦。右翼手・藤原レイ（3年）はフェンス際の大飛球をキャッチし、9回1死一、二塁から右前打で二塁走者を好返球で刺すなど、チーム全体で好守が連発した。

　試合後、八木監督は「選手はよくやってくれたと思う。よく勝負してくれた」とナインを称賛。「選手たちはスタートからずっと粘って粘ってやってくれた。相手にとっても嫌なイメージがあったんじゃないかと思う」とあと一歩まで迫ったチームの戦い方に一定の満足感を示した。

　主将の松本梗吾（3年）は「もっとこのチームでやりたかった」と目を赤くさせながら吐露。「最後まで勝ちにいっていたので。（石塚）蒼生が投げて、武井（寛悟）が捕って、みんなで守る。この野球をもっとしたかった」と今夏最後の試合になったことに悔しさをにじませた。