伝統芸能が思わぬ形で“8500万回再生超”大バズリ 地元政府も歓喜…インドネシアの田舎が大注目浴びるワケ
インドネシアの伝統芸能が、思わぬ形で世界的な注目を集めている。同国リアウ州クアンタン・シンギンで、8月20日から24日に開催予定の伝統的なボートレース「パクジャルール」。リアウ州観光局は、動画がSNS上で大バズりしたことを背景に、来場者数の急増を期待している。

SNSで世界的注目集め、伝統ボートレースに追い風
インドネシアの伝統芸能が、思わぬ形で世界的な注目を集めている。同国リアウ州クアンタン・シンギンで、8月20日から24日に開催予定の伝統的なボートレース「パクジャルール」。リアウ州観光局は、動画がSNS上で大バズりしたことを背景に、来場者数の急増を期待している。
ボートの先端に立った少年たちが世界から注目を浴びている。大勢の大人たちが長細い木製ボートに乗って、一糸乱れぬ力強いオールさばきをする中、先端の少年はバランスを取りながら華麗にダンス。この様子が今、SNS上で大バズりしている。
インドネシアのメディア「テンポ」は7日、「パクジャルール2025は、大バズりした『オーラ・ファーミング』ボートレース動画の影響で観客急増を見込む」との見出しで記事を掲載した。
「オーラ・ファーミング」とは、常にカッコいい瞬間を作り続ける行動を指すネット用語。以前から存在していたが、若い乗り手たちがボート上で見せるパフォーマンス動画が「ボートキッド・オーラ・ファーミング」などと呼ばれ、最近になってさらに認知が広まった。この映像は各国のネットユーザーを巻き込み世界中で拡散。TikTok上ではあるユーザーが投稿した2本の動画がそれぞれ5800万回再生超え、2800万回再生超えを記録し、計8600万回再生を超える大反響となっている。
スポーツ界にもこの流行は取り入れられ、ツール・ド・フランスでヤスペル・フィリプセンがゴール後のセレブレーションで真似して見せたり、インディカー・レースのドライバーのロバート・シュワルツマンが練習日に真似して見せたり、N FLのスター選手で歌手テイラー・スウィフトの恋人としても知られるトラビス・ケルシーが自身のSNSで反応するなど、一大センセーションを起こしている。
記事によると、リアウ州観光局長のロニ・ラフマット氏は、パクジャルールがリアウ州における文化観光の中心的存在となりつつあると強調し、「これは我々、リアウ、特にクアンシンにとって並外れた誇りだ。我々の地域文化が世界に通用する普遍的な魅力を持ち、グローバルに認められることを証明している」と語ったという。
パクジャルールは「ジャルール」と呼ばれる特定の木材で作られた長い木製ボートを使用するレースで、漕ぎ手の衣装やスタート時の大砲音など鮮やかな雰囲気で催されるのが特徴。植民地時代にはオランダ王室の誕生日行事の一環として行われた歴史もあり、2014年からはインドネシア文化省により国家無形文化遺産に認定されている。
今回の“バズり”を契機に、インドネシアの田舎で行われている伝統芸能が、新たな観光資源として注目を集めている。
(THE ANSWER編集部)
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