平野美宇の“コピー選手”が“本家超え” 中国16歳が下剋上V「似てるところある」
平野に尊敬のまなざし「私よりも実力がある」…それでも優勝できる中国の底力
そんな“コピー選手”が下剋上を成し遂げた。
相手の陳は平野を4-0のストレートで圧倒し、決勝進出。“本家”に勝った格上を破ってみせたのだ。これまでジュニア世代を主戦場とし、シニアのワールドツアー初出場だった孫は「大会に来る前は優勝できるなんて思ってなかった。とりあえず、外国人選手には負けないことだけ……」と驚いた。
日本勢は17歳・平野に加え、16歳・伊藤美誠ら10代の躍進が著しい。「彼女たちのことはもちろん、知っています。非常に強い選手。彼女たちは私よりも実力があります」と分析した孫は、平野について「すごくスピードがある。進んだプレーもしている」と尊敬の眼差しを向けた。
しかし、格上とみていた平野も伊藤も敗れた大会で、あっさり勝ってしまうから、王者・中国の底力が見て取れる。
今大会も男女の単複計4種目を中国勢が独占。自国の競争について「たくさん若い選手がいるけど、私自身は重圧は感じない。プレー中に自分の力を出し尽くすことだけです」と孫は事もなげに言ってのけた。今回の陳との決勝についても「中国人選手とは(国際舞台で)対戦はあまりなかったし、プレッシャーは感じなかった」と言うから、磨き抜かれた精神力が末恐ろしい。
「これからも持てる力を発揮して、今後の試合も頑張っていきたいです」
殊勝に意気込みを語った16歳。日本の若手も成長しているが、中国の若手も成長している。それを孫穎莎は“本家超え”によって証明してみせた。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer