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東京Dの仕事場で「感極まって泣いてしまった」 日系4世のド軍実況ネルソン氏が打ち明けた日本への想い

米大リーグのドジャースとカブスが「MLB 東京シリーズ by Guggenheim」のため来日。18、19日に開幕カードで対戦し、ドジャースの2連勝で幕を閉じた。「THE ANSWER」では来日した選手、米メディア関係者らに現地で直撃取材。「ドームで聞いたANSWER」と題し、語ってもらった内容を伝える。

MLB東京シリーズで来日したスティーブン・ネルソン氏【写真:中戸川知世】
MLB東京シリーズで来日したスティーブン・ネルソン氏【写真:中戸川知世】

「ドームで聞いたANSWER」第36回

 米大リーグのドジャースとカブスが「MLB 東京シリーズ by Guggenheim」のため来日。18、19日に開幕カードで対戦し、ドジャースの2連勝で幕を閉じた。「THE ANSWER」では来日した選手、米メディア関係者らに現地で直撃取材。「ドームで聞いたANSWER」と題し、語ってもらった内容を伝える。

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 第36回は米カリフォルニア州地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」で試合実況を務めるスティーブン・ネルソン氏。今回の来日では15、16日の巨人、阪神とのプレシーズンゲームで実況、18、19日のカブス戦ではフィールドレポーターを担当した。日系4世の36歳は、ルーツのある日本での歴史的な試合に、特別な想いで臨んでいた。(取材・文:THE ANSWER編集部・鉾久 真大)

 ◇ ◇ ◇

 キュッとネクタイを結び、先祖に思いを馳せた。この日のために取り寄せたハンドメイド。葛飾北斎作の浮世絵「冨嶽三十六景」の神奈川沖浪裏をモチーフとした藍染めの逸品だ。「FujiyasanJPというステキなカップルが日本で作っているんです」。ラペルピンにも神奈川沖浪裏の大波。「上には昇る太陽。下には野球ボールが入っています」。開幕の数時間前、ネルソン氏は誇らしげに特別な装飾品を紹介してくれた。

 母方の曾祖父母が熊本出身の日系4世。「1800年代の後半に、熊本からハワイへ移住したそうなんです。祖母はいつも『あなたの先祖はサムライと農民だったんだよ』と言っていました。本当なのか確認はできませんが、ずっとそれを誇りに思ってきました」。2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で実況として初来日。両親、妻子とともに自分のルーツがある地を訪れた。

「本当にグッときました。どれだけ大きな意味を持っていたか、言葉にするのは難しいです」。15日の巨人戦では、熊本が生んだ超有名ゆるキャラ、くまモンのラペルピンを着用。3歳の長男のお気に入りだ。「息子がハマっちゃって。くまベアー、くまベアーって呼ぶんです(笑)。だからピンとマグネットを買いました。いつも熊本の何かをつけるようにしています」。初めて先祖の存在を身近に感じた。

 日系4世として、日本での仕事はやはり特別だ。「2023年WBCの試合中、私は実況ブース内で感極まって泣いてしまったんです。感情を抑えきれず、咳をする時に使う消音ボタンを押さなくてはなりませんでした。自分のルーツと再びつながり、先祖を一番近くに感じられたからです。本当に感動的な瞬間でした」。2年ぶり2度目の来日。日本人5選手が集結した歴史的なシリーズを声で彩った。

 2021年10月、当時エンゼルス所属だった大谷翔平投手がMLB機構から「コミッショナー特別表彰」を受けた。その時の記者会見で「下手な日本語で失礼しました」と恐縮しながら挨拶したのが、進行役を務めたネルソン氏だった。今年2月のファンフェストでも大谷に日本語で質問。日本とドジャースの関係が深まる中、日系4世の米国人がマイクを通して両国を結ぶ。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)


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