「日本のファンは怒ってない?」 大谷翔平の執刀医が突然逆質問、才能流出の日本に抱えた危惧
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手の手術を執刀したニール・エラトロッシュ医師が、ドジャースの一員として「MLB 東京シリーズ by Guggenheim」のために来日し、東京ドームで取材に応じた。大谷の復帰時期の見通しなどを語った後、突然日本の報道陣に逆質問。佐々木朗希投手ら日本のスター選手が早期にメジャー挑戦する現状に興味を示した。

エラトロッシュ医師が東京ドームで取材対応
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手の手術を執刀したニール・エラトロッシュ医師が、ドジャースの一員として「MLB 東京シリーズ by Guggenheim」のために来日し、東京ドームで取材に応じた。大谷の復帰時期の見通しなどを語った後、突然日本の報道陣に逆質問。佐々木朗希投手ら日本のスター選手が早期にメジャー挑戦する現状に興味を示した。
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エラトロッシュ医師が突然、日本の報道陣に逆質問した。「皆さんにお聞きしたい」。大谷のリハビリ状況などについて、10分近く話した後。「素晴らしい選手が台頭し、日本を離れて米国に渡る時、ファンは怒っていないか?」。ちょうど、ポスティングシステムでドジャースに加入した佐々木の話題が出た直後だった。
23歳の佐々木はNPBで一度も規定投球回に達したことがない。一部のファンからは、わかりやすい実績の不足など不満もある。同医師は「イチローやショウヘイ、ヤマモト(山本由伸)らを獲得したチームが優勝したら、他球団はみな『もっと早く獲得しなくては』となる」と、日本人選手の“青田買い”を試みるメジャー球団の思惑を推察した。
「彼らの成功により、球団は日本選手により若い頃から目をつけるようになる。ドジャースやヤンキースらの後塵を拝したくないからだ」
佐々木は25歳未満の海外出身選手を対象とするMLBの「25歳ルール」に該当。マイナー契約しか結べず、契約金額も制限された。25歳でメジャー挑戦した山本は、2023年12月に12年総額3億2500万ドル(約463億2500万円=契約当時)でドジャースと契約。人気も資金力もある球団に獲得競争で負けないよう、スカウトの早期化が加速すると見る。
今オフには森井翔太郎投手が東京・桐朋高からアスレチックスとマイナー契約を結ぶなど、若き才能の米国流出が相次ぐ。日本人ファンの心情を危惧した同医師は「素晴らしい選手がいれば、最大の舞台に行かせてやるべき」と容認する一方で、「いつかは『米国に行かなくても最高の選手になれる』と人々が気づくかもしれない」とメジャーが全てではないとの見方も示した。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)
