4~5人しか知らなかった大谷翔平との極秘契約、社内も仰天…女性下着メーカーと意外なタッグ実現の裏側
下着メーカー大手のワコールは17日、米大リーグのドジャース・大谷翔平選手を同社のコンディショニングウェアブランド「CW-X(シーダブリュー・エックス)」のブランドアンバサダーに起用すると発表した。女性用の下着をメインとするメーカーが、2月にグローバル広告契約を締結したことでも大きな話題に。大谷との契約交渉に関わり米国でのCM撮影にも立ち会った、同社マーケティング本部コミュニケーションデザイン部販促統括課長の池野靖典氏にこれまでの話を聞いた。

ワコールが「CW-X」のブランドアンバサダーに起用
下着メーカー大手のワコールは17日、米大リーグのドジャース・大谷翔平選手を同社のコンディショニングウェアブランド「CW-X(シーダブリュー・エックス)」のブランドアンバサダーに起用すると発表した。女性用の下着をメインとするメーカーが、2月にグローバル広告契約を締結したことでも大きな話題に。大谷との契約交渉に関わり米国でのCM撮影にも立ち会った、同社マーケティング本部コミュニケーションデザイン部販促統括課長の池野靖典氏にこれまでの話を聞いた。
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2月17日、ワコールは新たなキャンペーンスローガン「Empowering. WACOAL」(エンパワーリング ワコール)を発表。広告塔として起用されたのが大谷だった。特にインパクトがあったのが、満面の笑みがクローズアップされたCM。同社公式インスタグラムでは、1日経たずして100万再生を突破するほど話題になった。
日本を代表する女性用の下着メーカーである同社と大谷という意外な組み合わせ。プロジェクトは4~5人規模のごく限られたメンバーで、発表直前まで社内でも極秘裏に進められてきた。
「ワコールの顔」として起用が決まったのが昨春のこと。社内で正式に情報がオープンとなったのは年明けだという。池野氏は「たぶんビックリされた方は多かったと思います。周りの人からも声をかけていただくことは多かった。様々なメディア、ニュースに取り上げられて、非常に反応があったと受け止めています」と振り返る。世間の反応と同様、サプライズに会社全体も明るい雰囲気となった。
なぜ、大谷だったのか。キーワードは「自分らしさ」だ。
ワコールはこれまで特に「女性美」を追い求めて成長。時代に合わせた「美しさ」を提案し、支持されてきた。ただ、昨今は「美しさ」の定義も多様化。個人の考えに寄り添う姿勢が問われる時代になった。加えてコロナ禍で消費者のニーズも大きく変容し、企業として変化が求められるタイミングに直面していた。
どう変わっていくのか。大事にしたのが「自分らしさ」。大谷はまさに、それを体現している人物だった。現代プロ野球ではほぼ不可能と思われた二刀流挑戦。懐疑的な声を一掃し、メジャーで誰もが認める地位を確立した。
「自分らしさは人によって違う。自分自身がちゃんと輝ける、そういう部分を肯定できる会社であるべきだと。(大谷に)お声がけしたところでは既に大活躍されていたのですが、どちらかというと人間性の部分、自分らしさを貫いているスタイルが我々にとって眩しい存在でした。ぜひ一緒にやっていきたいなというところから実現に繋げたという背景です」