[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

新横綱が味わった「天国と地獄」 相撲人生を懸けた執念の土俵、浪速での奇跡に涙のスピーチ【春場所名場面】

大相撲三月場所(春場所)は9日にエディオンアリーナ大阪で初日を迎える。新横綱に昇進した豊昇龍(立浪)が今場所も賜杯を抱くのか。それとも、琴櫻、大の里の大関陣や新関脇の王鵬が次を狙う足掛かりを作れるのか注目が集まる。ここでは“荒れる春場所”と言われる過去の三月場所を振り返る。2017年は新横綱として迎えた稀勢の里が終盤にまさかのアクシデント。手負いの状況で奇跡ともいえる逆転優勝を果たした。

稀勢の里【写真:産経新聞社】
稀勢の里【写真:産経新聞社】

大相撲春場所・9日初日

 大相撲三月場所(春場所)は9日にエディオンアリーナ大阪で初日を迎える。新横綱に昇進した豊昇龍(立浪)が今場所も賜杯を抱くのか。それとも、琴櫻、大の里の大関陣や新関脇の王鵬が次を狙う足掛かりを作れるのか注目が集まる。ここでは“荒れる春場所”と言われる過去の三月場所を振り返る。2017年は新横綱として迎えた稀勢の里が終盤にまさかのアクシデント。手負いの状況で奇跡ともいえる逆転優勝を果たした。

【PR】2025年9月、世界陸上が東京にやってくる 田中希実が語るその魅力「たくさんの『好き』が詰まった大会」

 7度目の綱取りとなった初場所で涙の初優勝を飾り、場所後に日本出身力士としては若乃花以来19年ぶりの横綱昇進を果たした稀勢の里。春場所は初日から危なげない相撲で破竹の12連勝をマークし、連続優勝も見えていた。だが13日目に日馬富士に寄り倒され、土俵の外に落ちた際に左肩を負傷。土がついたが休場はせず、14日目は大きなテーピングをして土俵に立ったが、まったく力が入っていない様子で鶴竜に寄り切られて2敗目を喫した。

 14日目の時点で1敗で並んでいた照ノ富士が単独首位となり、迎えた千秋楽の直接対決。稀勢の里の負傷の状況の変わりはないと見られたが、本割では立合いで左に変化し、突き落としで白星を挙げた。何とか持ち込んだ優勝決定戦では真っ向勝負で挑み、もろ差しを許して土俵際に追い込まれたが、執念の小手投げで逆転。奇跡の2連勝で史上8人目となる新横綱昇進場所での優勝を成し遂げた。

 土俵下でNHKによる優勝インタビューでは「本当に諦めないで、最後まで力を出してよかった」と話して涙を流した。だが代償は大きく、その後は左肩の怪我がなかなか完治せずに、途中休場も含めて歴代ワーストとなる8場所連続休場となった。

 9場所ぶりに15日間出場した2018年秋場所では10勝5敗の成績を残したが、続く九州場所も初日から土俵に上がったものの4連敗し、5日目から休場。2019年初場所も初日から3連敗し、不戦敗となった4日目に引退届を日本相撲協会に提出。まさに“天国と地獄”を味わった大阪の地での相撲が土俵人生を縮める結果となった。

(THE ANSWER編集部)

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
CW-X
MLB
funroots
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集