一夜明けて会見

　ボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）が25日、3度目の防衛成功から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナで同級6位ダビド・クエジャル（メキシコ）に3回3分4秒KO勝ち。ダウン経験がない全勝挑戦者をぶっ倒した愛称「ビッグバン」通りのド派手な試合を振り返った。

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　中谷は傷のない顔で涼しく会見した。試合後の心境を問われると「チームと家族と試合後はゆっくり食事をして過ごしました。若干体が痛いところがあるので、そこを感じながら来ました」と話した。愛称「ビッグバン」通りのKO劇には「最初はちょっと狙いすぎた部分はあった」と欲があったことを告白。それでも「しっかりKOシーンに繋げられたのはビッグバンというニックネームを連想してもらいやすかったなかなと」と満足げに続けた。

　試合後にはIBF世界バンタム級王者の西田凌佑（六島）がリングに。両者とも対戦を約束したが、その点を問われると「このバンタム級で統一王者になりたいと思っている。そこに向けてしっかり成長していきたい」と意気込んだ。また西田の雰囲気について「雰囲気……そこまで感じはしなかったけど、身長は高い感じはしました（笑）」と笑顔で話した。

　所属ジムの村野健会長は、中谷について「予想通り厳しい相手だったけど、王者はそれを上回る試合。時間が経つにつれて見切っていったなと」と評価した。

　試合はビッグバンが炸裂した。中谷は3回終盤、左ボディーストレートを効かせると、追撃のワンツーでダウンを先取。再開後も攻めたて、最後は左フックで2度目のダウンを奪ってみせた。同級でも高い身長173センチだが、クエジャルも174センチ。過去最長身となる対戦相手を圧倒してみせた。

　バンタム級世界王座はIBFに西田、WBOに武居由樹（大橋）が就き、日本人が主要4団体を独占。同興行では、WBA王者・堤聖也（角海老宝石）が同級4位・比嘉大吾（志成）に引き分けて初防衛に成功。西田と武居も生観戦し、4団体の王者が勢ぞろいした。西田は中谷戦後のリングに上がり、両者とも対戦を約束。統一戦の実現が期待される。