同僚から「疎外」も…命を懸ける覚悟だったイチロー氏 関係修復に動いた男が証言「聞いて欲しい」
米大リーグ通算3089安打を残したイチロー氏が、日本人初の米野球殿堂入りを決めた。米メディアは「イチローが殿堂入りした理由」と題した記事を掲載。その記事の中でマリナーズ時代の元チームメートが、「チーム内で孤立している」といわれた当時のイチロー氏の秘話を明かしている。
![イチロー氏【写真:Getty Images】](https://the-ans.jp/wp-content/uploads/2024/11/19115546/20241119_Ichiro_Suzuki2.jpg)
元同僚マイク・スウィーニー氏が回顧
米大リーグ通算3089安打を残したイチロー氏が、日本人初の米野球殿堂入りを決めた。米メディアは「イチローが殿堂入りした理由」と題した記事を掲載。その記事の中でマリナーズ時代の元チームメートが、「チーム内で孤立している」といわれた当時のイチロー氏の秘話を明かしている。
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米スポーツ局「ESPN」は、「イチローが殿堂入りした理由。チームメート、対戦相手から」という見出しで、アルデン・ゴンザレス記者とジェシー・ロジャース記者による記事を掲載している。その中で、2009年当時の秘話を明かしているのが、同年からマリナーズ入りしたマイク・スウィーニー氏だ。
スウィーニー氏は、当時のイチロー氏について「チームメートから疎外されていることは耳にしていた。嫉妬している者もいたし、チームに迎え入れようとしない者もいた」と告白。「僕はショックを受けたよ。この男は史上最高の打者なんだぞ。なぜこんなに偉大な選手を受け入れようとしないのか?」と当時の憤慨を明らかにした。
スプリングトレーニングのロッカーでは、イチロー氏、ケン・グリフィーJr.氏と隣だったというスウィーニー氏。「すげえ。この部屋に未来の殿堂入り選手が4人もいるぞ。(2人に加え)エイドリアン・ベルトレとフェリックス・ヘルナンデスだ」と驚いた事を回顧。「こんなメンバーがいて優勝できないはずはない。ロッカールーム内を団結させる方法を考えないと」と関係修復に動き出したという。
スウィーニー氏らは「チームをまとめようと小さいことを始めたんだ。一緒にディナーに行ったり、ロッカールームで面白いことをやったりしてね」と積極的に行動したが、スプリングトレーニング途中で、イチロー氏はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表へと合流。WBC優勝後、ミネソタでの開幕戦に向かうチームに再合流したのは、5日前のことだったという。
そこで大きな問題が発生。イチロー氏に胃潰瘍からの出血が見つかった。状態は深刻で病院で治療を受けたという。「でもイチローは開幕に間に合わせようと強い決意を持っていた。それは文字通りWBC代表として自国を背負ったストレスだった」と振り返るスウィーニー氏。「わずか半年前に自分に背を向け、仲間外れにして孤立させたチームに戻ろうとしたんだ。彼を受け入れようとしなかったチームにね」とその決意に心を打たれたようだ。