観衆1万85人へ「負けてすみません」 V逸で頭を下げた渡邊雄太、3得点富樫を救えず悔しさ露わ【天皇杯】
バスケットボール男子の天皇杯全日本選手権は8日、千葉・船橋市のららアリーナ東京ベイで準々決勝が行われ、千葉ジェッツがアルバルク東京に70-75で敗れた。主将の富樫勇樹が3得点に封じられ、攻撃力を発揮できないまま3連覇はならず。今季、NBAから加入した渡邊雄太は18得点と奮闘しながら移籍後初タイトルはお預けとなり、ホームのファンに謝罪。Bリーグ王座を奪いに行く覚悟を決めた。
バスケットボール天皇杯準々決勝
バスケットボール男子の天皇杯全日本選手権は8日、千葉・船橋市のららアリーナ東京ベイで準々決勝が行われ、千葉ジェッツがアルバルク東京に70-75で敗れた。主将の富樫勇樹が3得点に封じられ、攻撃力を発揮できないまま3連覇はならず。今季、NBAから加入した渡邊雄太は18得点と奮闘しながら移籍後初タイトルはお預けとなり、ホームのファンに謝罪。Bリーグ王座を奪いに行く覚悟を決めた。
マイクを握る渡邊の声は萎んでいた。「負けてすみませんでした」。敗戦後も行われたコートインタビュー。4階席まで埋めた1万85人に頭を下げた。3ポイント(P)シュート3本成功など両軍最多の18得点。61-64の第4クォーター(Q)残り2分33秒、自身のスティールからダンクを叩き込んだが、反撃は及ばず。「(天皇杯が)当然目標だった。もう達成できないのは本当に残念」と唇を噛んだ。
エースPGの富樫が出場29分9秒で3得点、3アシスト。3Pは7本中1本、2Pは1本も打てなかった。チームのアシスト数もA東京の23に対し、千葉Jは15。21-19で迎えた第2Q開始からフィジカルを駆使した相手守備に苦戦し、ボールの動きが鈍くなった。特に身長187センチの小酒部泰暉が20センチ差の富樫を徹底マーク。ミスマッチをつくられ、すぐに守備網を敷く相手に得意の速攻が機能しなかった。
前半は速攻から0得点など封じられた主将は「天皇杯が終わってしまったことが悔しい」と吐露。一方、長年日本代表でともに戦ってきた渡邊も「こういう時に他の選手がステップアップして、彼を助けられるようにしていかないと」と責任を背負った。Bリーグは18勝10敗で東地区3位。改善点が多いのは伸びしろの証しだ。
試合前のウォーミングアップ中。渡邊は自身のネームタオルを持つ最前列の少年ファンに歩み寄り、ハイタッチした。コートに散らばった審判3人に駆け寄り、両手で握手をして試合へ。そんな姿を子どもたちも見ていた。「苦しい時間帯があったからこそ、最後にいい思いができたと言えるように」。千葉Jを勝たせるためにやってきた。移籍後初タイトルは4季ぶりのBリーグ制覇だ。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)