全日本選手権が20日から開幕

　フィギュアスケートの全日本選手権が20日から大阪・東和薬品RACTABドームで行われる。19日には公式練習が同会場で行われ、37歳・織田信成が取材に応じた。男子シングルで11年ぶりの出場。地元・大阪で最後の全日本となる。「正直、不思議な感じ。練習は気持ちを落ち着けてできたと思う」と表情は明るかったが、愛息の話になると涙。「ここで泣くつもりじゃなかったのに……」と堪えきれなかった。

【PR】ABEMA de DAZN、明治安田J1リーグの試合を毎節2試合無料生中継！

　2013年に一度は競技から引退。しかし2022年に現役復帰した。「膝と腰が持たないので、全日本は今年が最後にはなるんですけど、最後だからこそ全身全霊で頑張りたい」。競技生活は今季で2度目の区切りを迎える。

　2008年の全日本で優勝。あれから時は経ち、37歳になった。「一番若い子が14歳とか15歳の子たち。僕の息子とほぼ年齢同じ子たちと試合するのは申し訳ない気持ちもあるんですけど、全力でやっている姿を会場の人、一緒に試合している人に見せたい」と意気込んだ。

　ユーモアたっぷりに取材に応じていたが、涙もろさは隠せなかった。地元・大阪開催のため自宅から会場入り。スケートをしている場面をほとんど見たことがないという長男が、この日初めて出発前に「試合、頑張ってな」と言ってくれたという。

　このエピソードを語った直後、「ちょっとそれでもう泣きそうになって……」と言葉を詰まらせ、涙が止まらなくなった。「ちょっと待って、なんで泣いてるん」「ここ使わんとってほしい（笑）」と自身にツッコミを入れるも、堪えきれなかった。「結構今、反抗期とかもあるので……嬉しくて。家族も応援してくれているので精一杯頑張りたい」と誓った。

　ショートプログラムは「マツケンサンバ2」を演じる。「2回目の現役最後のタイミングで、どうしてもマツケンサンバを滑りたいという気持ちになった。盛り上がる曲ですし、国民的盛り上げソング。この曲の力にあやかってパフォーマンスしたい」。ファンに笑顔を届け、リンクの上で最高の涙を流したい。