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心乱れる「選択終了」の文字 無言で画面見つめ3時間20分「もうヤバいのかと…」育成ドラフト待つ心理

ドラフト最中の心境とは【写真:羽鳥慶太】
ドラフト最中の心境とは【写真:羽鳥慶太】

社会人投手、独立リーガー…自らと似た選手が指名されていく

 無言で、画面を見つめ続けた3時間強。何を考えていたのか問われると、早川は「選択終了の文字が苦しくて…。本当に指名されないんじゃないかと思った」とこぼす。

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 早川の元に届いた調査書は阪神からのものだけ。阪神が別の選手を指名していくたびに心は乱れた。育成ドラフトが始まっても名前を呼ばれなかった時には、流石に心が折れかけたという。「チームメートになるんですけど、阪神が育成1位で徳島の投手を取った時に、もうやばいのかなと」。上位で社会人投手を2人指名し、支配下の4位、5位、さらに育成の1位、2位と独立リーグからの指名が続いた。自らと立ち位置の似た選手が呼ばれるたびに、心が締め付けられた。

 北海道出身の早川は国立の小樽商科大を卒業後、公務員試験を受けて日本ハムの本拠地、エスコンフィールドのある北広島市役所に入庁した。クラブチームで野球を続けながらプロ入りを狙ったものの、野球に専念できる環境を求めてくふうハヤテ入り。チームが初めて産んだドラフト指名選手だ。

 阪神との対戦経験を踏まえ「ウエスタン・リーグで対戦させてもらっても本当にファンが熱い。伝統ある球団ですし人気もある」と印象を口にした。会見後には早速、関西ローカル番組のタオルを持ってポーズを要求されるなど、トラの洗礼を笑顔でこなしていった。

 来季から阪神を率いる藤川球児監督は現役時代、火の玉ストレートと称されるボールで名を馳せた。早川も最速150キロの真っ直ぐが武器。「ストレートには自信があるんですけど、最初ここに来た時には空振りが取れなかったり苦労した。藤川監督にはストレートを教わりたい」と、心はすでに虎の一員だった。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)


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