陥落・田中恒成「悔しい」「頭が回っていない」 無敗挑戦者にダウン奪われ3年10か月ぶり敗戦「今後はわからない」
ボクシングのWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチが14日、東京・有明アリーナで行われ、王者・田中恒成(畑中)が挑戦者の同級5位プメレレ・カフ(南アフリカ)に判定負けし、王座陥落となった。戦績は29歳の田中が20勝(11KO)2敗、29歳のカフが11勝(8KO)3分け。13日を含め、日本初となる1イベント7つの世界戦が行われている。田中は顔が腫れた状態で会見に出席。「今はちょっと、頭が回っていない」「悔しいです」と語った。
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
ボクシングのWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチが14日、東京・有明アリーナで行われ、王者・田中恒成(畑中)が挑戦者の同級5位プメレレ・カフ(南アフリカ)に判定負けし、王座陥落となった。戦績は29歳の田中が20勝(11KO)2敗、29歳のカフが11勝(8KO)3分け。13日を含め、日本初となる1イベント7つの世界戦が行われている。田中は顔が腫れた状態で会見に出席。「今はちょっと、頭が回っていない」「悔しいです」と語った。
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田中は序盤からスピードで上回り、優勢に展開。鋭いパンチで組み立てた。しかし、5回に右アッパーを放ったところで右フックを被弾。先制ダウンを奪われた。会場に悲鳴が響き、客席は「恒成」コール。以降はボディーを軸に反撃し、ポイントを獲り返すために終盤まで打撃戦に出たが、その分被弾も増えた。最終12回は残り40秒から猛攻。悲鳴と怒号まじりの声援を受けながら戦い抜いた。勝負は判定へ。カフの手が上がり、無敗の挑戦者に屈した。
会見場に顔が腫れた状態で出席した田中は、疲れた様子で「今はちょっと何も頭が回っていない」「悔しいです」と口にした。判定負けについては「こういう負け方は初めて。初めての経験というのが、とても悔しいです」と言葉を詰まらせながら振り返った。
田中は2月、同級王座決定戦でクリスチャン・バカセグア(メキシコ)に3-0で判定勝ち。2020年大晦日に井岡一翔(志成)に敗れて以来、3年2か月ぶりの世界戦で4階級制覇を達成した。日本人の4階級制覇は井岡、井上尚弥の過去2人だけ。しかも、元世界6階級制覇王者オスカー・デラホーヤ(米国)の24戦を上回る世界最速21戦目での達成だった。
7月にジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)と初防衛戦を行う予定だったが、前日計量でロドリゲスが体重超過。試合中止となり、心身ともに仕上げた過程が水の泡になっていた。会見で田中は「その辺は気持ちが大変なことは何もなく、フラットにこの試合に臨みました」と影響を否定。今後について問われると「今後は……これだけはわからないですね。(リマッチは)僕が言えることではない。今後はわからないとしか言えない」と話した。
前戦からは前後左右に多く動くボクシングを徹底し、スタミナとパンチ力強化に励んだ。相手のカフは「Truth(本物)」の愛称を持つサウスポー。複数の地域タイトルを獲得し、世界初挑戦を迎えていた。
スーパーフライ級は、7月に井岡を倒したフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)がWBA&IBF王座に君臨。WBC王座をジェシー・ロドリゲス(米国・帝拳)が保持する。暫定王座にはWBAにデビッド・ヒメネス(コスタリカ)、WBCにペドロ・ゲバラ(メキシコ)が就き、田中は4団体統一を目標に掲げていた。
(THE ANSWER編集部)