大同生命SVリーグ開幕戦

　バレーボールの新リーグ「大同生命SVリーグ」は11日、東京体育館で男子開幕戦を行い、大阪ブルテオンがサントリーサンバーズ大阪に3-0のストレート勝ち（25-17、25-19、25-21）を収めた。高橋藍、西田有志らパリ五輪日本代表も多数在籍する両チームの対戦。地上波中継も行われるなど注目度は高く、チケットも完売。6513人で満員の会場は大歓声に包まれ、バレー熱の高さを改めて感じさせる新リーグの船出となった。

　小野寺太志らを擁するサントリーには、昨季までイタリア1部モンツァでプレーしていた高橋が今季新加入。大阪Ｂにも西田、山内晶大、山本智大、富田将馬らパリ五輪でプレーした選手が多数おり、対戦カード決定時から大きな注目を集めていた。東京体育館には試合開始3時間前からファンが大挙。グッズ売り場に長蛇の列ができるなど、女性ファンを中心ににぎわった。

　サントリーの赤、大阪Ｂの青と両チームのチームカラーでくっきり分かれた客席から手拍子でエールが送られる中、試合開始。注目の第1セット、最初のスパイクを打ったのは西田だった。これを拾ったサントリーは、デアルマス・アラインが記念すべき新リーグ初得点を決めた。その後は大阪Ｂが優勢に。西田が強烈なサービスエース、ブロックなどで得点を重ねた。

　サントリーは12-18から高橋が鮮やかなバックアタックで得点。しかしロペス・ミゲルらが躍動する大阪Ｂは勢いが止まらず、25-17で1セットを先取した。第2セットは両者譲らない展開に。大阪Ｂは12-13から西田が連続得点で絶叫。サントリーも218センチのムセルスキー・ドミトリーが圧巻のブロックを披露するなど食らいつくが、西田がこのセットだけで9得点。大阪Ｂが2セット連取で勝利に王手をかけた。

　サントリーはムセルスキー、高橋らが好守にいい動きを見せ食らいつくも、最後まで大阪Ｂの牙城を崩せず。西田が滞空時間の長い跳躍から強烈なスパイク、サーブを繰り出した。3-0の開幕戦白星でチームは歓喜の輪。異例の注目度となった一戦で勝利に導いた。

　場内インタビューに登場した西田は「まず皆さん今日、ここに足を運んでいただきありがとうございます。こうやってSVリーグが開幕できたことが非常に嬉しいし、今日の展開も面白かったと思う。あと半年以上ありますが、皆さん、来られる時は是非会場に来て応援してください」と呼びかけ。客席には元女子日本代表の妻・紗理那さんも駆け付けた中、今後のリーグ盛り上げを誓った。

「開幕戦ですが、一試合は一試合。あと何十試合もあるので、次の試合にコンディションを整えたい。これから各地でSVリーグが開幕しますが、今回はサントリーさんと大阪ブルテオンが凄く取り上げられてはいましたが、これから各メディアの方々もそうですけど、各チームを取り上げてくださるのが僕にとっても凄くありがたい環境ですし、SVリーグとしても世界一の第一歩だと思うので、是非皆さんのお力を貸していただければと思います」

　主将の山内は「とりあえず嬉しいですし、SVリーグに変わってからの開幕戦。大事だと思っていたので嬉しいです」と吐露。「厳しい時もあったけど、これだけのファンの方が来てくださり、後押しがあっていいプレーができた。（自分のプレーは）ぼちぼち。まだまだ上げて行きたい」とした。

「この歴史的な瞬間に立ち会えるのは光栄ですし、誇りに思う。このまま良い調子でリーグを進めていきたい。今日はたくさんの応援ありがとうございました。まだまだ長いリーグが続くので、会場に足を運んで、また配信で応援をよろしくお願いします」

　リベロの山本は「ありがとうございま～す！　皆さん、お久しぶりで～す！」と絶叫。「パリ五輪と変わらないくらいの熱量があって、この環境でやれることに感謝したい」と振り返った。高橋藍について「さすがでした」と称え、「勝ったことが一番。これかもネットを挟んで切磋琢磨できれば」とエール。互いに拍手を送り合った。さらに山本は「これからバレーボールがもっと発展して、さらに人気のあるスポーツにしたいので、皆さんの応援が必要になります。これからもたくさんの応援よろしくお願いします」と呼びかけた。

　SVリーグは前身の「Vリーグ」から再編。将来的な完全プロ化、2030年までの「世界最高峰リーグ」実現を目指した新リーグになる。初年度は男子10チーム、女子14チームが参加。来年4月までレギュラーシーズン44試合を戦い、男子は上位6チーム、女子は上位8チームがチャンピオンシップに進出。初代優勝チームを決める。