大谷はDH専任初のMVPなるか

　米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手はレギュラーシーズン1戦を残した時点で、打率.310、54本塁打、130打点、58盗塁と躍動。三冠王の可能性まで残した。3度目のMVP受賞なるか期待されるが、辛口のニューヨーク紙記者も「少なくとも、大谷は満場一致になるだろう」とお手上げ状態。DH専任であることが議論を呼んでいたが、もはや敵なしと見ている。

　昨季の右肘手術の影響により、今季は打者に専念している大谷。本塁打、打点はリーグ断トツで二冠が確実な状況だ。打率も終盤の絶好調ぶりにより急上昇。首位打者の可能性もわずかに残す程の大暴れで、盗塁でも2001年のイチローがマークしていた56を上回り、日本人最多に立っている。前人未到の年間50本塁打＆50盗塁も達成した。

　これほど圧倒的な数字を残している大谷だが、守備につかないDH専任であることからMVP受賞を疑問視する声もあった。過去にDH専任の選手がMVPを獲得した例はなく、今月上旬にはメッツのフランシスコ・リンドーア内野手がファングラフス算出のWARで大谷を上回っていたこともあり、地元ニューヨークメディア、ファンなどからリンドーアのMVPを推す声もあった。

　そのリンドーアは腰を痛めて約2週間離脱。その間の大爆発で、大谷はWARでもリンドーアを上回ってしまった。ア・リーグでは圧倒的な数字を残しているアーロン・ジャッジ（ヤンキース）が、ナ・リーグでは大谷がMVPの本命とされている。

　米紙「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者も、大谷の躍動ぶりにはお手上げの様子だ。Xで「トップに立つこの2人（大谷とジャッジ）はなかなかに良い」と指摘。27日までの8試合で、大谷がOPS2.149をマークしていることに「馬鹿げている」と驚きを示した。「MVPレースは終わり。少なくとも、大谷は満場一致になるだろう」と白旗。ただ「（DH反対派がいない場合に限る）」と注釈も忘れなかった。