日本メダルラッシュで「未知のスポーツ」の認知度上昇 面白くないはずがない団体球技の「いいとこ取り」な魅力【パリ・パラリンピック】
パリ・パラリンピックが連日のメダルラッシュで盛り上がっている。水泳で鈴木孝幸や木村敬一ら東京大会でも活躍したベテランが金メダルを獲得。バドミントンでは里見紗李奈と梶原大暉が連覇を達成した。一方で、特に目立つのが、団体球技。五輪では目にすることがない、多くの人にとって「未知のスポーツ」が脚光を浴びている。
パリ・パラリンピック、日本が連日のメダルラッシュ
パリ・パラリンピックが連日のメダルラッシュで盛り上がっている。水泳で鈴木孝幸や木村敬一ら東京大会でも活躍したベテランが金メダルを獲得。バドミントンでは里見紗李奈と梶原大暉が連覇を達成した。一方で、特に目立つのが、団体球技。五輪では目にすることがない、多くの人にとって「未知のスポーツ」が脚光を浴びている。
今大会の団体球技は、5人制サッカー(ブラインドサッカー)男子、ゴールボール男女、車いすバスケットボール男女、車いすラグビー、シッティングバレーボール男女の5競技8種目。日本からは5人制サッカー、ゴールボール男女、車いすバスケットボール女子、車いすラグビーに5つの日本代表チームが出場している。
チームスポーツがおもしろいのは、五輪では見ることができない競技が多いからだ。特に「車いすでプレーするラグビー」は想像しにくいし「ゴールボール」と聞いただけで競技が浮かぶ人は決して多くないはず。東京大会で少し知られたとはいえ「ブラインド(目隠し)でサッカーをする」のも一般的には「?」と思う人が多いだろう。
今大会は、そんな「未知のスポーツ」の認知度が高まった。居酒屋で隣のテーブルから「車いすラグビー、興奮したよ」「ゴールボールって、おもしろいな」という声が普通に聞こえてくる。前回の東京大会では好成績を残した「ボッチャ」が「未知の競技」として注目されたが、今回は「車いすラグビー」と「ゴールボール」の注目度の高さを感じる。
メディアの力が大きい。パラ特有の競技は、映像に触れないと分かりにくい。それぞれ体験会などで普及に努めているとはいえ「やったことも、見たこともない」人が大多数だからだ。今大会は東京大会から引き続いてNHKで多くの試合が放送されている。一昔前までなら考えられないが、車いすラグビーは決勝戦まで日本の全試合が中継された。
立ち上がりの緊張感、手に汗握る試合展開、監督らベンチまで含めた駆け引き、試合終盤の盛り上がり…。団体球技は、1試合通してこそ面白みが伝わる。息詰まる点の取り合い、劇的な逆転、過去2大会連続銅メダルから悲願の金メダルに輝いた車いすラグビー日本代表の戦いぶりは、競技の魅力を伝えるのに十分だった。