桃田&奥原が「滑るコート」警戒 中国でWTファイナル開幕「少し足を出すのが怖い」
バドミントンの国際大会、BWFワールドツアー(WT)ファイナルが12日に中国の広州で開幕した。世界のトッププレーヤーが集まる大会だが、敵は選手だけではないようだ。男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)、女子シングルスの奥原希望(日本ユニシス)は、コートの滑りやすさに注意を払う必要があると警戒心を強めていた。
中国・広州で開幕、状況対応力も問われる大会に
バドミントンの国際大会、BWFワールドツアー(WT)ファイナルが12日に中国の広州で開幕した。世界のトッププレーヤーが集まる大会だが、敵は選手だけではないようだ。男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)、女子シングルスの奥原希望(日本ユニシス)は、コートの滑りやすさに注意を払う必要があると警戒心を強めていた。
実際に女子シングルスでは、山口茜(再春館製薬所)も足を滑らせる場面が散見された。地元の期待を受けるチェン・ユーフェイ(中国)は、ネット前の球に反応して踏み込んだ際に足を滑らせ、起き上ったときには足をひきずっていた。奥原は、そのプレーを見て注意していたという。実際、ネット前に入ろうとして、細かくステップを踏んで止めるシーンがあったことも「それは、ある。ちょっと足を出すのが怖い」と認めた。
元々、滑りやすい性質のマットのようだ。桃田は「コートマットが滑るときに、何回か(落ちている)汗を拭いてもらえないときがあって、少し(滑るのが)怖かったので、ラリーを切りに行っていた。濡れていなくても、ほかのマットより少し滑りやすいと思うけど汗が落ちると、余計に滑る」と話し、奥原と同様に滑る原因となる汗に注意を払っていたことを明かした。
大会は、世界選手権の優勝者と、年間のツアーランキング上位者の各種目トップ8(ただし、1種目で同国からの出場は2枠。欠場者が出た場合は、ツアーランクによって繰り上げ)が参加するハイレベルな戦い。簡単に勝てる舞台ではない。ただし、19年5月から五輪の出場権争いが始まることを考えると、特に大きな負傷は絶対に避けなければならないタイミングで、躊躇もやむを得ない。過去に両ひざで大ケガを経験している奥原は「もちろん勝ちたいけど、ここでケガをしたら元も子もない。無理なくやるのが第一。アクシデントなく日本に帰ることが一番大事。その辺が心配なので、汗とかすごく注意して見るようにしている」と話した。
シーズン終盤で蓄積されている疲労と戦う時期でもある。滑りやすいコートで、いかに危険なプレーを避けながら勝つことができるか。状況対応力も問われる大会になりそうだ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)